日常の中でおきる、ふっとした事件・疑問について考えることである
例を挙げるなら、
・何も取らない泥棒の話
・なぞめいた校内放送の真意
・なくなった女の子の鞄探し
といった類である。
1ジャンルたるゆえんは、従来のミステリーと違い、殺人が起きないことや、その凶器探しに奔走する推理とは、考えるべき問題・疑問が異なるからである。と考える。
その説明の前に、大枠のミステリーの面白さの正体をまず説明する。
●ミステリーの面白さ
ミステリーとは、本文の情報をまとめて、一番妥当性のある結論を導くことである。
・情報とは、Aさんは、その時間部屋にいた。死因は、なんらかの毒物である。などで
・結論とは、だれが、なぜ、どうやって、 その事件を起こしたかの説明である。
つまり、
→情報を見つけること。
→情報から結論を導くこと。この2つの行程が面白いのである(さらに細分化できるが)
●その中でも【日常の謎】の面白さ
『日常の謎は、従来のミステリーとは違い、考えるべき対象、疑問が異なる。』
と述べたように、この違いから、上記2つのプロセスの質が変わる。
より、身近に、想像しやすい・推測しやすいものになる。
その変化が、より面白くさせている。
密室を作り出す難解なトリックを『対象にして』、名探偵と同じように
一本の紐や、石ころや、ガムテープから密室の謎を『考えること。』
何も取らない泥棒を『対象にして』、他人の部屋に侵入して、
何も盗まない人に、どんな得があるのかと『考えること』
想像しやすい、推測しやすい背景には、
盗むという行為の意味を誰もが知っている点にある。自分に置き換えて考えられる。
密室にする行為の条件・方法は、誰もが知っているとは限らない。
これが、推理という難解そうなものを、私の傍にたぐり寄せた、面白さの秘訣であると思う。 日常の謎とは、つまるところ、私たちが経験してきた日常の延長にある謎ゆえに、【考えやすい謎】なのである。私たちが、今まで習ってきたものや経験の、少しの背伸び、応用で手が届く。
上述の『結論とは、だれが、なぜ、どうやって、 その事件を起こしたかの説明である。』とあるが、
一般的には、以下の用語で言われるらしい。
・who done it
・why done it
・how done it