こないだ同居人がウイルス性胃腸炎になった。旅行から帰宅した朝に気持ち悪いと言いだして横になったかと思うと、トイレへ爆走し、前夜に食べたタイ風から揚げやモンゴルパンの残骸を吐いた。その一連の動作のすばやさは初期ミスターポポを思わせるほどで、これは大変だと駆け寄り背中をさすったところ、「さわらんでぇ!」と渾身の北陸式ノーサンキューを受けた。気持ちはわかる。吐いてるときに背中をさする人のおせっかい感はピンクフロイドのアルバム「おせっかい」20枚分くらいに相当する。しかたなく水を持って後方待機していると、彼女の全身は嘔吐の瞬間、筋肉が隆起してビキビキになっていく。全力だ。もうめちゃくちゃに全力淑女だった。さっきの韋駄天のごときスピードも考えると、異常な力を発揮している。思えば人間は「なにか」を催してしまったとき、このような通常の範疇をこえた力を出すことがある。そうやってこの緊急事態に立ち向かうのだ。「なにか」は三種に分類され、それぞれ「うんこ」「おしっこ」「ゲロ」である。催し界の三強。というか催し界はそれ以外にいない。この界隈は衛生陶器業界以上の完全なる寡占市場である。かくいう私もこのビッグ3には幾度となく辛酸をなめさせられてきた。特にうんこである。私にとってのうんこは錦織選手にとってのジョコビッチに相当する(だいたい負ける)気まぐれな小悪魔うんこにより私の自尊心は何度もズタズタにされ、何枚ものオキニパンツたちが葬られてきた。つまり私はうんこに辛酸をなめさせられてきた。そう、私はうんこの辛酸をなめてきた(!)あるときは花園神社の境内でむせび泣き、あるときは仲間たちの嘲笑を受けながら学校のトイレにこもり、あるときは家でも寸前で間に合わずカーペット張替えの大惨事をひきおこしてきた。そのときそのときは全力で最悪を回避すべく尽力したが、私は非力だった。彼女のように人の心を捨てミスター・ポポと化してもどうしようもならないことはある。ビッグ3は強大だった。催し界のチャンピオンズリーグを制すには身体能力以外の力が必要だったのだ。私は年2・3回の戦いをコンスタントにこなしながら、ついに王座を奪取するたったひとつの力を知る。それは、「決断力」だ。「決断力」とはなにを「決断」するのか。それは開き直ってクソをすることである。もうただその場でクソをするのである。おしっこならサーモスの水筒へ、ゲロなら弁当箱に突っ込み、うんこもリュックの中にしてしまうのだ。この力をもってして、私はかつてないピンチを乗り越え、それどころかチャンスに変えてきた。ベイブリッジの夜景を眺めていた際の急襲にもなんなく嘔吐を決断し、直後スムーズなキッスをかました。富山のまんだら遊苑では天国ゾーン横の森にてナップザックグソを選択しすれ違う子供たちを欺くどころか、軽薄な交流すらしてみせた! もう何も怖くなかった。2010年くらいのサッカースペイン代表みたいだった。ティキ・タカ状態だった。最近ではもう敗北することはまったくない。私は催し界のCLを制したのだ。喜びのあまり、この話を会社の飲み会でした。今日、私に話しかける同僚はいない。王者はいつだって孤独である。
生活賞 受賞作:該当作なし ノミネート みんなちょっとたのしい話しよう 電車でスマホで遊んでたら褒められた 父は72歳の5歳児になった 何かにつけて尻を出す夫 SFファ...
本エントリーは増田文学賞2018前期の投票に関する総合案内用のエントリーです。投票は以下にリンクを張った各部門の投票用エントリーのブコメにて行ってください。また、文学賞全体...
この記事について 本記事は増田文学賞 2018前期の「生活賞」部門に対する投票・案内を行うための記事です。 賞の趣旨 実名では明かせない、または明かすほどでもない日常生活...
この記事について 本記事は増田文学賞 2018前期の「SFファンタジー賞」部門に対する投票・案内を行うための記事です。 賞の趣旨 架空の世界を描いたエントリーや、現実の話題を...
この記事について 本記事は増田文学賞 2018前期の「社会批評賞」部門に対する投票・案内を行うための記事です。 賞の趣旨 現実の社会に関して高度な専門知識を駆使した批評を...
この記事について 本記事は増田文学賞 2018前期の「演出賞」部門に対する投票・案内を行うための記事です。 賞の趣旨 思わぬ展開や巧みな文体で多くのはてなユーザーを魅了し...
この記事について 本記事は増田文学賞 2018前期の「ユーモア賞」部門に対する投票・案内を行うための記事です。 賞の趣旨 読んで思わず吹き出してしまうようなユーモアのある...
この記事について 本記事は増田文学賞 2018前期の「コメント賞」部門に対する投票・案内を行うための記事です。 賞の趣旨 ある増田投稿エントリーの魅力をより引き出していく...
増田文学100選( anond:20180617025544 )を読んでいて、そろそろ本当に増田文学賞とか創設されてもいいんじゃないだろうかと思い、ついつい草案を作ってしまったので晒してみる。 いま思いつ...
低能先生の俳句やポエムはどこに該当するの
あのような小作品を二三十作ってごらんなさい 文壇で類のない作家になれます anond:20180617174154
増田文学賞を企画したものの今のところ特に反響なし。 うーん、あんまりこういう企画は需要ないのかねえ。
匿名ダイアリーの全ての投稿に目を通してジャンル別に分類して投票しようなんてことをやろうとするヒマ人はいないでしょう。たまたま目にした投稿が面白かったからそれに投票する...
反応ありがとう。まあ、たしかに面倒かもね……。部門制にしたことで手間がかかりすぎたのかもしれない。 玉石混交なのは確かにそう。ただ、最近の医療関係の増田記事とかは十分社...
バズっていたじゃん
「バズった」=「名文」ではないでしょう。むしろ突っ込みどころ満載で何か言ってやりたくなる投稿の方がバズるのではないかと…。アクセス数はそれなりにあったかも知れないけど...
元増田だが、「バズった」とは増田文学賞の草案を指しているのではないか?
[増田文学賞] 増田文学賞 2018前期 投票の呼びかけ この企画を開始する前の草案( 20180617174154 )は50ユーザー以上からはてブもらって、それなりに支持者がいたのに、いざ企画したら未だに...
むしろよくうまくいくと思ってたな いいじゃんいいじゃんと始める前は何人か(それも全体からみると小数)がいうけど実際ことが始まったらだれもついてこないのはよくあることだ、...
反応してくれてありがとう。いや、うまくいくとは思っていなくて、散々叩かれたうえで改善を続ければ企画がいい方向に向かうかなと思ってたんだ。反応がまったくないのはさすがに...
該当作なしってことだろ?無視するという反応があったジャン。
反応ありがとう。 うーん、今回は投票され始めたのがだいぶ遅いから、該当作なしの部門が出てしまうかもね。もしそうなったら改めて策を考えてみるよ。 無視するという反応があ...
死ねゴミ
気付いたら期限過ぎてた。無念。
こういうノリすごい冷めるわ