はてなキーワード: 緊急措置入院とは
精神科の入院は5種類あって任意入院、医療保護入院、措置入院、緊急措置入院、応急入院がその5つ。
医療保護入院→精神保健指定医の診察の結果、精神の病気のために入院する必要があると判断されて、かつ家族の同意がある時の入院
措置入院→自傷あるいは他害のおそれがあると精神保健指定医2人の診察で判断した時の入院。通報などの手順が明確に規定されている。
病院側も体制(精神保健指定医の手があいているかとか)とか空き病床とか都合があるので、その日に入院できるとは限らないので事前相談がある方がありがたい。本人が嫌がる場合だと最初の受診がラストチャンスになりかねないので初回の受診は非常に重要。暴れる可能性がある場合は精神科単科病院(精神科がメインの病院のこと)だと屈強な看護師を待機させておくなど体制を整えてくれる場合もある。ただ、病院側としては診察していない患者さんを相談の段階で「入院できます」とは安請け合いできないので入院について相談員さんの歯切れが悪い場合もあることはご了承を。
暴力や暴言などの状況と何が困っているか、精神症状(妄想、不潔行為(=壁にうんこ塗ったりとか)などがあるか)、物忘れの状況、内科なども含めた既往歴・入院歴、コロナの時代なので風邪症状があるかとワクチン接種歴、内服薬、飲酒歴などは必須。症状はいつから、どのような症状がどれぐらいの頻度であるかなども必要。紙に書いてあると非常にありがたい。ただ、時々あるがA4の用紙で10枚とかを渡されても時間が無限にあるわけではないので読まれない可能性があるためできればA4用紙1~2枚までにしていただきたい(個人的に思っている基準なので精神科医によって個人差があるかも)。
非常に困難なことが多い。ある程度、本人が理解できるようなレベルであれば「眠れないこと」「気力がないこと」などをフックにすることができると良いが、病院サイドとしては自宅まで連れにいくことはできないので、ここは家族に頑張ってもらうしかない。
抗認知症薬(メマンチンなど)と抗精神病薬(選択肢は多岐にわたるが…)である程度大人しくなったり、怒りっぽさが抜けることが多い。認知症は不可逆な病気なので、うまくいかないこともあるし、治療の過程で拘束や隔離などの手段をとることはある。大人しくなった場合は病院側としては退院できればベストだが、長期入院になる場合もあるし、介護施設に転院するパターンもある。認知症ではない場合(せん妄、水頭症など)は完全に病前の状態まで戻る可能性もなくはない。
家族を精神科にかからせることについて抵抗がある場合があるが、個人的には家族にもそれぞれ人生があり共倒れになることは避けるべきだと思うので家族自身の人生も考えてベターな選択肢を考えたほうが良いと思っている。
入院を想定するのであれば検査なども含めて1日あけてくることが望ましい。たまにおられるが「昼から仕事だから早くしろ!」とか言われても困る。
医療保護入院は保護の必要がある患者を①医師の判断と②家族の同意を条件に強制入院させる制度で、家族が協力するパターンでは通常こちら。まあ正確には次に言う措置入院とは要件が異なるんだが。
措置入院という制度もある。普通の措置入院と緊急措置入院の2パターン。こちらは自傷他害のおそれが要件になる。自殺しそうとか他人に怪我させるとかの場合。暴言だけだと微妙、脅迫とかまで行けば該当しそう。
問題行動が激しくなり家族で面倒見きれなくなった認知症患者を、施設に入所してもらうお約束のパターンとしては、まず医療保護入院で病院に行き、投薬と心理療法等で介護施設で面倒見れる程度まで状態を安定させてから施設に退院がよくあるのではないかと。
言い方はかなり乱暴になるが、ニュアンスとしていちばん正しいと思う。
統合失調症は恐ろしい病気だと思った。医療ドキュメンタリーなどでよく見る、狂人(これもかなり乱暴な言い方だけど)が家にいるのは正直厳しい。
テレパシーで会話が聞こえる
BGMが常に頭を回る
私は女王だ
母はこの国を統治する女王なので、ベルサイユ宮殿のような屋敷に住んだことがあるらしい。自らの能力を使い、人を助けないといけないらしい。
だから、昨日母は手負いの青年を抱き締め、身を呈して守ったが、もちろんそんな人物は存在しない。一時間半、見えない敵と戦って、力及ばず死なせてしまったと泣く。久しぶりに帰省した娘の言葉は一切聞かず、脳内に語りかけてくる謎の人物ABCDとばかり話をする。よその家のチャイムを押しに行こうとし、暴漢がいると警察に通報する。
内科外科的な症状がないと救急車は使用できず、平日ではなかったこともあって最寄りの精神科は頼れない。ただ、メンタルヘルス系の相談ダイヤルに掛けたら、入院可能な病院を探してもらえた。タクシーで一時間はかかる、山の上の病院だった。
ふっとスイッチが切れたように大人しくなった母を、タクシーで病院へ連れていく。もちろん母は自分が入院するなんて思っていないから、ただ夜遅くまで開いている病院という認識で、楽観的だった。車内の会話はほぼない。
周囲にコンビニもないような山奥で、20時くらいから診察が始まる。自分に何が起こっているのか、医師にひとつひとつ説明していく。周りに勧められて心療内科を受診していること。エビリファイという薬を気休めに飲んで、調子がいい気がするということ。母と唯一同居している兄がとっていた、支離滅裂な言動のメモが決め手だった。医師の表情はどんどん貼り付いたような表情になっていき、屈強そうな師長は慣れた様子でうんうんと話を聞く。
「あなたはね、もうおかしくなっちゃってます。もうね、これは病気です。心配してご兄弟が集まって、相談して、あなたを入院させるために今日ここに来たんです。あなたは帰れません。帰せません、入院です」
緊急措置入院だった。
女王は激昂し、同意書を破り捨てる。こんなのはおかしい、私は正常だ、だから帰る、喚いて逃げようとしてもそれは叶わない。師長は手慣れた様子で女王を取り押さえ、兄もそれを手伝った。医師が義務的に早口で書類の文言を読み上げる。診察室のある棟を抜け、施錠された扉をいくつか越え、保護室へと向かった。
「こんなのおかしい! 拐われる、信用できない、許さない、離して!」
とにかく大声で叫ぶ。ここが山奥で本当によかったと思った。
「味方が必ず助けに来てくれる! お兄様助けて、お父様助けて、助けに来て!!」
入院患者が驚いた様子で見守っていた。ずるずると引きずられるように歩みを進める女王の抵抗は凄まじかった。足を踏み、腕を払おうともがく。ギロチンに向かう女王の姿としては、あまりに無様なものだなと思った。ショッキングな光景ではあったが、正直胸が軽くなった。もう、無理な仕事のスケジュールで帰省することもなくなる。電話でノイローゼになりそうな話を聞くこともなくなる。ご近所の方に怪訝な目で見られることもなくなる。これからきっとよくなる。
母は女王かもしれないが、私は王女ではない。もちろん、臣民にもなれない。入院に関する説明を上の空で聞いて、求められるまま書類に電話番号を書いて、女王には会わず病院を出た。意外とあっけないものだなと思った。
このあいだも同じような事件があって執行猶予つき判決が出ていた(「精神障害の長女を殺害した父親に長男「よく我慢してきた」)が、こちらの長女の場合は他罰的症状を伴う「強迫性神経症」で入退院を繰り返していたとのこと。
統合失調症の場合は幻覚妄想をもとに暴言暴力などの他害や迷惑行為が現れる場合「も」あるが、双極性障害の躁状態・自閉スペクトラム症やADHD・パーソナリティ障害などでも他害や近所に対する迷惑行為が起こる場合がある。
身近にも現在進行形で暴言暴力や近所に対する迷惑行為を行い措置入院を繰り返している者がいるが、診断名は強迫性障害である。
精神科に定期的に通院をし服薬もしているが、抗うつ薬や睡眠薬は飲むものの、抗精神病薬に関しては副作用の錐体外路症状が出やすいせいか、飲んだり飲まなかったりと服薬アドヒアランスは不良(副作用止めも出ているがあまり効かない様子)。
興奮状態のときこそ薬を飲んで欲しいが、そういうときに限って頑なに頓服を飲まない。
福祉事務所にも何度も相談に行っているし、警察沙汰にも何度もなっている。
つい先日も大暴れして緊急措置入院になったものの、入院継続とはならず24時間以内に退院してきた。
上記リンク先の長女もそうだったようだが、暴れている時以外は人並み以上に優しくておとなしいという面がある。