新型コロナウイルス感染症の流行で増えているといわれるうつや摂食障害などの治療をアプリやデジタル技術を活用して支援する動きが少しずつ始まっている。コロナ感染への不安から医療機関への受診を迷う人に、セルフチェックをする機会を提供するほか、医師もこれまで見えにくかった患者の変化などを細かくとらえられることで、治療の精度を上げられる可能性が見えてきた。デジタルの特長を生かしたアプローチで治療の支援・拡充
犯罪行為の一つである痴漢。刑法の「強制わいせつ罪」または各都道府県の「迷惑防止条例違反」が適用され、罰則も定められている。一方、逮捕された人の5年以内の再犯率は約4割に上る。臨床心理学や犯罪心理学を専門とする筑波大学人間系心理学域の原田隆之教授は「治療が必要な性依存症の可能性もあるので、罰するだけでは不十分です」と話す。 ▽女性や性へのゆがんだ認知 現時点で「性依存症」という精神医学上の診断名はなく、痴漢は「パラフィリア(性嗜好=しこう)障害」の中の「窃触(せっしょく)障害」に分類される。しかし、衝動的に繰り返すため、診療現場では通常、アルコール依存やニコチン依存と並ぶ依存症と捉える。 ただ、酒やたばこという物への依存と異なり、「痴漢は明確な被害者がいる点で、悪質な犯罪行為です」と原田教授は説明する。痴漢行為の原因には、幼少期の性的虐待被害などのトラウマがあると思われがちだが、「大半は問題
男たちはなぜ線路を逃走するのか 「痴漢の疑いで線路を逃走」――最近このような報道を頻繁に耳にする。中には、電車にはねられて死亡してしまったケースもあれば、ラッシュ時に電車の大幅な遅延を招いて大勢の乗客が迷惑を被ったようなケースもある。 男たちはなぜ線路を逃走するのか。 最も多いのは、実際に痴漢をして逮捕を免れようとして逃げるケースだろう。捕まると困るので逃げる。これが一番単純かつ現実的な想定である。 第2は、冤罪を恐れて逃げるケース。これまで何度となく痴漢冤罪のニュースが報道されているし、映画にもなっている。やましいところはなくても、逮捕されたり、裁判になったりすると面倒なことは間違いなく、何より家庭や仕事がめちゃくちゃになってしまうかもしれない。 ごく普通の日常生活を送っている人にとって、朝の満員電車でいきなり「あなた触ったでしょ!」などと言われたら、それだけで頭の中はパニックとなり、一
国立大学病院で初めて「認知行動療法センター」を創設 [国立大学法人千葉大学] ~「医療としての提供モデル」の確立を目指して~ 千葉大学病院では、臨床試験でエビデンスが照明された「不安障害」等の相談件数の増加に対応するため、国立大学病院初となる、医療としての認知行動療法の提供モデルに特化した専門部門「認知行動療法センター」を10月1日に新設しました。 認知行動療法は、認知(考え方)や行動のアンバランスなパターンを見直し、感情(気持ち)の問題を解決するための精神療法(心理療法)の一種です。不安障害、うつ病などの心の病気はもとより、近年は不眠症、慢性疼痛や肥満症のような身体疾患に対してもエビデンスが国内外で報告されています。 千葉大学では、これまで「相談」事業として実施してきた認知行動カウンセリングの件数が年間約1,800回あり(平均1人15回で113人/昨年度の実績)、4分の3にあたる約
福岡県豊前市で昨年1月、小学5年の女児=当時(10)=を連れ去り殺害したとして殺人罪などに問われ、福岡地裁小倉支部で3日に無期懲役判決(求刑死刑)を受けた内間利幸被告(47)は、過去にも小学生女児を狙ったわいせつ事件を起こし、再犯を防ぐためのプログラムを刑務所で半年間受けていた。悲劇が繰り返されたことから、プログラムの実効性に対する疑問の声が上がっており、薬物治療など踏み込んだ対策の必要性を訴える声もある。 刑務所に性犯罪の再犯防止プログラムが導入されたのは2006年。性犯罪の前科がある男が04年に奈良県で起こした女児誘拐殺人事件がきっかけだった。プログラムでは、犯行に至る行動と思考パターンを省みさせる「認知行動療法」を施し、性衝動をコントロールできるようにするのが狙い。だが、小学生女児などを狙った性犯罪で過去に約12年間服役していた内間被告は公判で「(性衝動の制御方法は)覚えていない」
マインドフルネスのグループワークで、少女たちは法務教官から渡されたフィギュアなどの感触を確かめた=7月、大阪府交野市の交野女子学院 ストレス低減に役立つとされる米国発の瞑想(めいそう)法「マインドフルネス」を、非行少年の更生教育に活用する動きが、全国の少年院で広がっている。感情をコントロールする力が身につくといい、保護者からの虐待など被害体験を抱える少年少女らの再非行防止に効果が期待されている。(田中佐和) 一つの感覚に集中 「目を閉じて。全員に違うものを渡すから、手の感覚に意識を向けてね」 7月、大阪府交野市にある女子少年院「交野女子学院」では、マインドフルネスのグループワークが行われていた。法務教官が少女たちの手に、動物のフィギュアやぬいぐるみを置いていく。視覚や聴覚をシャットダウンした状態で、触覚という体の感覚に集中するためのプログラムだ。 数分後、渡されたときの気持ちを尋ねられると
うつ症状の治療には、各種の抗うつ薬のほか、さまざまな精神療法が試されています。多くの研究がありますが、子どもに対して精神療法のうちのどれが優れているかは、合意が確立していません。新しく、多数の研究論文を検証して比較する研究が行われ、9種類の精神療法を比較した結果、対人関係療法と認知行動療法の利点が報告されました。 ◆文献から52件の研究を比較 研究班は、文献検索で見つかった52件の研究論文で、合計3,805人の対象者について行われた9種類の精神療法の報告を検証してまとめました。 ◆対人関係療法と認知行動療法が優位 次の結果が得られました。 治療直後では、対人関係療法と認知行動療法だけが、多くの対照条件に比べてより有効だった(標準化平均差-0.47から-0.96)。 フォローアップ中には、対人関係療法と認知行動療法が多くの対照条件に比べてより有効であり(標準化平均差-0.26から-1.05)
Author:Miyaoka Hitoshi, MD., PhD. 北里大学医学部精神科 ★北里大学医学部精神科HP http://kitasato-psychiatry.juno.bindsite.jp/ ■宮岡等のブログ http://miyaokakitasato.blog.fc2.com/ ■日経メディカル 連載:宮岡等の「精神科医のひとりごと」 http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/series/miyaoka/ ■Medical Tribune:"Doctor's Eye" https://medical-tribune.co.jp/rensai/2017/1019511159/ 最新記事 公的委員会の委員選任方法は何とかならないんだろうか? (11/12) 「成人になってから神経発達症が疑われる事例-診断と対応-」(案内) (11
認知行動療法センターとは 認知行動療法センター(CBTセンター)は、ナショナルセンターである国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター内に平成23年4月に日本初の「認知行動療法(CBT)」を専門とする研修・研究センターとして、以下の3つを目的に設立されました。 (1)認知療法・認知行動療法の提供とそれを用いた様々な領域における活動の支援と連携 (2)認知療法・認知行動療法の臨床研究 (3)認知療法・認知行動療法を実施できる様々な職種の人材の育成 私たちは、国内最先端の認知行動療法の研究と研修を通じて、日本の精神医療技術の向上と、よりよい精神医療サービスを患者様に提供できる社会の実現を目指しています。
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