「やはり来たか。さすがだメイトリクス」 引っ越してきたばかりの山荘。開けてもいないロケットランチャーが壁際に並べられただけの無機質な光景のなかで、ベネットの目に映るのはメイトリクスだけだった。 「遅かったじゃないか。行ったかと思ったよ」 「とんでもねえ、待ってたんだ」 優しい目でベネットを見やったメイトリクスは、がさごそと軍放出品ストアーの袋をひろげる。 「サンドイッチお待ちどー」 心なしか頬や額を赤く染めたベネットが答える。 「中身はなんだこれ」 気だるげに上半身をもちあげ、サンドイッチを受け取るベネット。その腹に、そっと鉄パイプを貫通させるメイトリクス。 「地獄に落ちろベネット!」 メイトリクスの問いに、腹から蒸気を出しながらベネットが答える。 「てめえはもう終わりだあ!!」 「ナイフなんか捨ててかかってこいよベネット!」 控えめな声とともに、ベネットを殴るメイトリクス。 「眉間なんか