昔を美化して懐かしむのは勝手だ。脳内妄想タレ流し与太は馬鹿の特権だから。だが、「だから今はダメだ」の偽証拠にしたり、嘘目標にするのは、馬鹿を通り越して犯罪だ。レトリックに騙されないために、「四丁目の夕日」を思いだそう。 「走る凶器」という言葉を思いだそう。ピーク時は年間一万六千人が交通事故で命を失い、交通戦争という名にふさわしい時代だった。車の残骸とアスファルトの黒い染みの写真が社会面を飾っていた。「登下校の集団に突っ込む」「轢いたことに気づかず走行」「反対車線に飛び出し正面衝突」は、今だと華々しく全国ニュースになるが、当時は日常茶飯事だったことを思いだそう。 「四大公害病」、覚えているよね。あの頃は、土も水も空気も汚染されていた。どれも悪質で悲惨な「公的犯罪」だったが、当初は「ただちに影響はない」と切り捨てられていた。鮮明に覚えているのは、泡立つ多摩川のヘドロと畸形魚。今と比べると、同じ