衛星データが示す2009年秋の南極上空に開いたオゾンホール。 (Image courtesy NASA) 25年前の発見以来、オゾンホールは地球環境への一大脅威と考えられてきた。しかし世界規模で展開されている空前のオゾン層回復策が功を奏し、現在は縮小傾向にあるという。気候変動も大きな環境問題の1つだが、同様に抑え込める望みはあるだろうか。しかし、オゾンホールの縮小が地球温暖化を加速しているとの話も聞こえてくる。 オゾン層は15〜30キロ上空に自然形成されるオゾン(O3)の層で、太陽光に含まれる短波紫外線のほとんどを吸収し、地表への到達量を抑制する働きを持つ。 紫外線は皮膚ガンや白内障の原因となるなど人体に悪影響を及ぼす。また、魚類や甲殻類、カエルのほか、海洋食物連鎖の底辺をなす単細胞植物プランクトンの生殖にも問題を引き起こす可能性がある。 オゾンは自然に生まれる分子だ。太陽光によって