大阪市営地下鉄の長老、初代100形 2003年、大阪市指定有形文化財に指定された初代100形。“歴史の生き証人”として、後世に語り継がれる。 大阪市交通局が運営する「大阪市営地下鉄」は、1933年5月20日の開業から84年の月日が流れ、2018年4月に民営化される。すでに現役を退き、緑木車両管理事務所で暮らす初代100形は、“超変革”が訪れる日を静かに待っている。 ■駅も車両も気宇壮大 現在の御堂筋線梅田駅。電車にパンタグラフが搭載されていないことも相まって、アーチ形の天井は絵になる光景だ。 大阪市営地下鉄最初の開業区間は御堂筋線梅田―心斎橋間で、電車はたった1両。しかもホームの全長は最長12両編成を想定したつくりで、かなり持て余していた。各駅とも天井が高く、当初は“雄大な空間”に疑問を持つ乗客が多かったという。戦後、御堂筋線は“大阪の大動脈”に成長し、1995年秋から10両編成で運転され
