前回から少し時間が経ってしまいましたが、続きます。今回から何回か、設計者に求める実績について考えます。はたして設計者の実績をどう評価するのがよいのでしょうか。 一般的に公共建築の設計(者)プロポーザルでは、参加資格要件の1つとしてこれまでの建築・設計実績を求めます。しかし、満たす実績の要求が高くなればなるほど、そのプロポーザルは排他的なものとなってしまいます。実際、日々プロポーザルをチェックしていると、こんな高度な実績要件を設けるなら、最初から指名でのプロポーザルにすべきと思うものもあります。 開かれたプロポーザルを実現するのであれば、求める要件は現実的なものであることが大事です。まず過去の実績について、その業務がどこまで終わっているかという判断があります。基本設計や実施設計が終わっていれば実績としてカウントするのか、施工が済み竣工した状態に至って初めて実績としてカウントするのかという点で