この記事では、企業がフィッシング対策に取り組む前提として、実際にフィッシング詐欺に使われたメールやWebサイトの画像を用いて手口を説明していく。 フィッシング詐欺の存在が知られるようになって2年近くなるが、その手口はますます巧妙さを増している。ユーザーがうっかり個人情報を漏らすよう仕向けるため、偽物をいっそう「本物らしく」見せかけるだけでなく、フィッシング対策をすり抜けるためのテクニックも使われるようになってきた。 まず、改めてフィッシング詐欺について説明しておこう。たいていの場合は本物そっくりの偽メールを送りつけたり、あるいは偽サイトにおびき寄せてユーザーをだまし、アカウント情報やパスワード、クレジットカード番号といった個人情報を盗み取る。 当初、ユーザーをだますには、ただ画像を貼り付けただけのHTMLメールが利用されることが多かった。しかし「メール中のリンクをクリックしない」「アドレス