段々と日が落ちてきた。周りが薄暗くなり、ralphの鋭い眼球が暗闇の中で光る。通常、アーティストへのインタビューというのは1時間程度で行なわれることが多いが、今回は3時間にも及んだ。普通であれば話さないようなことも、徐々に空気がほぐされていくことで少しずつ口を開いてくれる。 そうなってくると、次に訊きたいテーマとしてはやはり楽曲制作についてだろう。どのようにリリックが書かれているのか、超絶的なラップスキルはいかにして生まれているのか。“硬い”日本語に見出す楽しさとフロウへの洞察、ラップの語彙における“軽重”の層、脈絡を超える「絵画的」な言語と「小説的」な自身の言語の違い、文脈を紡ぐ楽曲とパフォーマンスの映画的なストーリーテリング──。謎に包まれた曲づくりの詳細に踏み込んでいくと、自身を「言語に頼るラッパー」と位置付け、音と言語の構造分析を好むという、ralphならではの論理と感覚の絶妙なバ