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文学に関するLycoris_iのブックマーク (59)

  • 物語要素事典

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  • 旅が終わる気がする

    私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

    旅が終わる気がする
  • 夏が近づいたら何かが起こりそうだという気が毎年するのだが、H&Mに行って..

    夏が近づいたら何かが起こりそうだという気が毎年するのだが、H&Mに行ってアロハシャツと短パンを揃えたくらいではなにも起こらなかった。 いや去年は無職になった。 事業が終了したら部署ごと無くなって、そこにいた人間がまとめてお払い箱になってしまうのは、いわゆる外資系で働いていればよくあることとはいわないまでも、珍しいことでもない。それまではわりに忙しかったので、失業手当でももらいながらちょっとゴロゴロするかと思っていた。 ブックオフで買ったも読み終わってしまって、日暮里の談話室ニュートーキョーでぼんやりしてたら、誰かが傍で立ち止まった。顔を上げるとNが不機嫌そうに睨んでいた。 なんでこんなところで昼間から優雅にメロンソーダ飲んでんだよ、しかもさくらんぼ入り、さくらんぼ、と突っかかってくる。うっせーな無職だからに決まってるだろうが、と返すと、えーなにそれとうとうクビになったの?聞きたい聞きたい

    夏が近づいたら何かが起こりそうだという気が毎年するのだが、H&Mに行って..
  • こゆるぎ岬

    いちどだけ自殺しようと思ったことがある。中2の時。俺はクラスでかなりハードなイジメに遇ってた。家に帰れば両親は離婚寸前でもめてるし、とにかく最悪だった。 当時、神奈川県の中学では2年次にAテストというのがあって、高校入試にめちゃめちゃ影響する重要なテストと言われてた。俺はその結果も散々だった。勉強なんかできる精神状態じゃなかったのだ。3才から一緒に暮らしてた犬も死んじゃうし、かわいいなと思ってた女子から「バイ菌」と呼ばれるし、もう死ぬしかねえと思った。 文学にかぶれていた俺は、太宰治にあやかって鎌倉のこゆるぎ岬で死のうと思った。太宰が心中に失敗した場所だ。 俺は太宰みたいに睡眠薬を持ってなかったので、家中の薬をかき集めて持って行った。でたらめに飲んでやるつもりだった。 こゆるぎ岬に着いて岩畳の上でぼんやり突っ立ってたら「おい」と呼ぶ声がした。 振り返ると、ネプチューン名倉みたいな妙に濃い顔

    こゆるぎ岬
  • テトリス

    小6の時、親が離婚して母子家庭になった。父親とはその前からずっと別居していたから、家庭内に際立った変化は感じなかったけれど、苗字が変わったのがきつかった。同級生から好奇の目を向けられるのがとにかく嫌で、一時期、友達と遊ばなくなった。授業が終わると逃げるように家に帰った。 それで何をしていたかというと、部屋でずっとテトリスをしていた。布団に寝そべり、枕を高くして、毎日、何時間も。 そうこうするうちに、いつのまにか新しい苗字に馴れていた。同級生も僕の苗字のことなんて大して気にしてないことがわかった。僕はまたみんなと遊び始めた。 大学受験に失敗して浪人が決まった時も、ずっとテトリスをやってた。朝から晩まで一日中やってた。起き上がる気力もわかなかった。2週間ぐらいそうして過ごした。そのあとゆっくりと受験勉強を再開して、徐々にペースを上げ、翌年にどうにか志望校に合格することができた。 大学2年の時に

    テトリス
  • これからどうしよう

    短大はなんとか卒業したものの思った通りの就職先がなく、今は精肉卸で配送のドライバーをしている。 堅苦しいルールもなく女性は珍しいからと重宝されてはいるけど、まわりはおじさんばかりで楽しいことは一つもない。 給料がいいわけでもないけど仕事がつらいわけでもなく何となく辞める理由も続ける理由もない毎日を送っている。 飲店の開店前に配達しなければならないから、朝の6時前には積み込みを終わらせて軽トラを走らせる。 会社のすぐ近くにあるしばらく続く桜並木は毎朝の配達ルートで、ランナーや散歩をする人ばかりでこの時間から仕事をしているのなんてわたしくらいのものだ。 そんな中で、先月のはじめころに彼を見つけた。 中肉中背、とくべつ顔が良いというわけではないけど、要するに一目惚れだった。 姿勢が良かったとか、父親にちょっと似てたとか、朝の木漏れ日に走る姿が素敵だったとかそれくらいの理由だ。 退屈な毎日の繰り

    これからどうしよう
  • 一番ウマかったステーキ

    高校生の頃、ステーキレストランでバイトをしていた。数店舗展開の小さなチェーン店の一つだった。 ディナーのラッシュが落ち着いた所で休憩に入ると、たまに店長が「ご飯盛っておきな」と言ってくる。好きなだけ盛っておき、頃合いを見て店長に渡すと、ステーキが載って帰ってくる。形が悪かったり端切れのような中落ちみたいな肉はステーキとは言い難かったが、これがとてつもなくウマかった。 社長の抜き打ち来店を警戒しながら、裏で黙ってうこの肉が好きだった。 あの頃一緒に働いてた同級生、年上のめちゃ可愛いお姉さん、頑固なじいさん社員や新米の優しい社員、よくしてくれた店長、皆いま何しているのだろうか。元気なら、それだけで充分すぎるのだが。 もう何年も前に無くなったあそこのお店で、もう一度だけあの不恰好な肉をべたい。自分にとっての一番ウマかったステーキ。

    一番ウマかったステーキ
  • 声優・上坂すみれさんがロシア文学の権威と本気で対談! | アニメイトタイムズ

    2017年1月29日(土)に、東京・東洋文庫にて、声優やアーティストとして活動する上坂すみれさんが『わが心のロシア♡』と題するトークショーに登壇しました。上坂さんといえば、出身大学ではロシア語を専攻し、自他ともに認める旧ソビエト連邦(ソ連)やロシアを愛するひとり。今回のイベントも、その「ロシア好き」を請われたことから出演されました。 東洋文庫では2017年1月7日(土)から4月9日(日)まで、展覧会『ロマノフ王朝展―日人の見たロシアロシア人の見た日―』を開催。上坂さんは展覧会のオフィシャルサポーターを務めており、会期中の展示室内には上坂さんによる音声ガイドが流れています。 今回はその活動の一環として、名古屋外国語大学学長でロシア文学や文化に関する著書多数の亀山郁夫先生とのトークショー開催の運びとなりました。ロシア愛を語り合うのにこれ以上ないほどの会場と座組で行われたイベントは、時間を

    声優・上坂すみれさんがロシア文学の権威と本気で対談! | アニメイトタイムズ
  • ノーベル文学賞 ボブ・ディランさんのメッセージ | NHKニュース

    ノーベル文学賞を受賞したシンガー・ソングライターのボブ・ディランさんは、授賞式と晩さん会を欠席し、スウェーデンに駐在するアメリカ大使がディランさんのメッセージを代読しました。 私は幼いときから読書に親しみ、パール・バックやアルベール・カミュ、アーネスト・ヘミングウェイなど、文学の巨匠たちにいつも大きな感銘を受けてきました。こうした巨匠たちに私の名前が連なるなんて、当に言葉もありません。彼ら自身が受賞に値すると思っていたのかどうかは私にはわかりませんが、や詩、演劇を書く人たちはみな、心のうちに秘められた夢を抱いているはずです。 もし、誰かが私に文学賞を受賞する可能性があると伝えたとしても、受賞の確率は、私が月面に立つのと同じくらいありえないことだと思ったことでしょう。受賞という驚きのニュースを知り、それを受け止めるのにしばらく時間が必要でした。 そのあと、頭に浮かんだのは、ウィリアム・シ

    ノーベル文学賞 ボブ・ディランさんのメッセージ | NHKニュース
  • 紫式部の「裏日記」発見 清少納言への呪詛つづる

    千葉電波大学文学部の藤原道通教授は22日、『源氏物語』の作者紫式部によって書かれたとみられる『紫式部裏日記』が見つかったと発表した。文の大半を清少納言への苦言と批判が占めており、両者の確執を知るうえで貴重な資料になりそうだ。 『紫式部裏日記』は京都市内の古書店で購入した男性が昨年6月、藤原教授に持ち込み鑑定を依頼していた。文体だけでは確証に欠けるため、放射性炭素年代測定法を用いて紙と墨の成分を調べたところ、平安時代中期のものであることが科学的に証明された。 『紫式部日記』は清少納言を「したり顔で偉そうだ」と厳しく批判した部分が広く知られているが、『裏日記』ではさらに文全体の8割強を清少納言への批判に割いているのが大きな特徴。「生霊になって取り殺したい」「牛車に轢かれてしまえばいい」など読むに堪えない心の闇を優美な筆づかいでつづっている。中宮彰子の出産など『日記』と重なる出来事が多いこと

    紫式部の「裏日記」発見 清少納言への呪詛つづる
    Lycoris_i
    Lycoris_i 2016/11/24
    「ええ、うっそー……」と思ってアドレス見たら虚構で安心した。
  • アカデミック・ラブ - クマムシ博士のむしブロ

    四月上旬、北関東のとある学園都市でもようやく桜が咲き始めた。それと同時に、この街に植えられている多数のスギに由来する花粉が、少なくない市民を攻撃していた。 T大学は、そんな街の一角を占める総合大学である。日でも有数の広大なキャンパスを擁し、学術面でもノーベル賞受賞者を輩出するなど、誇らしい実績をもつことで知られている。 そんなT大学の片隅に位置する建物内に、動物生態学研究室がある。この研究室では、昆虫から脊椎動物に至るまで、さまざまな動物についての生態学的研究が行われている。 毎年4月には、動物生態学研究室では新歓コンパが催される。この年に新しく動物生態学研究室に配属された学部四年生は三名、修士一年生は二名である。学部四年生は全員男、修士一年生は男一名と女一名。研究室で開催される新歓コンパの目的は、表向きは文字通り「新入生を歓迎し親睦を深める」というものだ。コンパの席では研究室のメンバー

    アカデミック・ラブ - クマムシ博士のむしブロ
  • ホチキス貯金してる

    ボトルガムの箱に、ホチキスの芯を貯めている。綴じたあとに間違いに気づいて外したホチキス、上司から「以下の通り」を「以下のとおり」に修正しろといわれて外したホチキス、書類の順番が違うと経理に言われて外したホチキス、を、捨てないで、延々と溜めている。 このボトルガムの箱がいっぱいになったら辞表をだすのだ。 理不尽に電話口で怒鳴られたとき、ボトルガムの箱をみると気持ちが安らぐ。あともう少し。 ときどきとなりの席のひとが、私のボトルガムの箱に、捨てるはずのホチキス芯を入れているのを知っている。

    ホチキス貯金してる
  • 【ネタバレあり】下らないけど笑えるおすすめ現代純文学作品15選

    最近、個人的に大ハマりしている作家。いつか芥川賞を取ると信じてやまない。 一言で言うと意味の分からない小説ばかり書いている。ストーリーの意味が全く分からないのに、設定や一つ一つの描写がいちいち笑える。 ひとまずどれだけストーリーのパースが狂ってるかを理解してもらうために、書収録3作の内容を紹介していこう。 ◆IT業界 心の闇 雑誌とかでよく見るOLの座談会みたいな文章(これ自体もあるあるで面白い)が延々と続くと思いきや、突然次の文章が始まる。 信じられないかもしれぬが、私はOLである。今ではすっかり浮き世の荒波に揉まれ(勿論、その間には幾人もの殿方に乳房を揉まれもしたのだが……)、身も心も擦れて逞しくなってしまったが、かつては極度の人見知りで、初対面でしかも相手が異性ともなれば伏し目がちに途切れ途切れの言葉を発するしかできぬような、まさに純粋無垢な生粋の生娘であった。それが今や、まさに恥

    【ネタバレあり】下らないけど笑えるおすすめ現代純文学作品15選
  • 綿谷りさのおっぱいがでかい

    文学は死んだ

    綿谷りさのおっぱいがでかい
  • わが人生の「教科書」井上靖『あすなろ物語』を再読して甦る青春の記憶 - 積読書店員のつくりかた

    誰にとっても、その「一冊」が人生を変える可能性がある。 は出合いである。人生のターニングポイントで、ふと手にした作品によって運命を変えられることもある。私は書店員として働く中で、「人生を変えた」とまでは言い切れないまでも、「目の輝きが変わった」人に出会ったことは幾度もある。 目の前に分岐したルートを、小説が、エッセイが、コミックが、児童書が、ビジネス書が変えてしまうことがある。 フラグが立っていた。これは、あとあとになって分かることが多い。けれども、(だけに限らず)手に取った、出会った、見かけた、赴いた瞬間に対象物が輝いて見える場合がある。 いわゆる「一目惚れ」である。 私には青春を変えた小説がある。作も一目惚れであったと記憶している。 その小説とは、井上靖『あすなろ物語』。井上靖の自伝的小説と言われるが、ここで「自伝『的』」としたのはおそらく井上自身をモチーフにしながらも、相違点も

    わが人生の「教科書」井上靖『あすなろ物語』を再読して甦る青春の記憶 - 積読書店員のつくりかた
  • わたしが思わずキレてしまった話

    入社して半年の女の子が心臓発作で亡くなった。 わたしにとって、はじめての部下だったのでものすごくショックを受けた。 次の日にお葬式に人事部長と行った。 彼は50代後半のくたくたのおじさんである。 帰り道、その彼がぼそっと、 「こうなるなら雇わなきゃよかったなぁ……」 といったので、思わず胸ぐらを掴んだ。 「ッ!!、どういう意味ですか? 香典がそんなにもったいないですか!?」 普段温厚な私もプッツン切れてしまった。 しかし、部長はいたって冷静に 「人生の最後ぐらい、うちみたいなきつい会社じゃなく、 当にやりたい仕事をやれればよかったのにな。と思ったのでな。」 と言ったので 「思わず失礼しました。ごめんなさい」と全力であやまり、ゆるして貰えた。 ふと隣の部長を見ると泣いていた。 そういう私も泣いていた。 彼女は常々プロブロガーになりたいと言っていたことを思い出したからである。

    わたしが思わずキレてしまった話
    Lycoris_i
    Lycoris_i 2016/01/20
    謎の読後感
  • 本当に嘘のような本当の話

    偶然と言えばそれだけの話かもしれないけれど、まさか自分の人生の中で、 こんな不思議なことを経験するとは思いもしなかった。 ブログはやってないし、SNSに書くのもプライバシーが気になるから、 普段は見るだけだった増田に書かせてほしい。 備忘録と言うか、まぁ書かなきゃ落ち着かないってことで、 長文になるだろうけど、吐き出したい。 俺は友人が少ない。 いや、正確に言うと、当に友人と思えるヤツが少ない。というかいない。 友人以上という意味で、一人だけ親友がいる。幼い頃からの腐れ縁で、 お互い三十歳になったが、もう二十五年以上の付き合いだ。 そいつが五年付き合った二つ下の彼女と別れたのは去年の頭のことだ。 仕事海外駐在が決まった彼女から一方的に別れを告げられ、 冬が終わって暖かくなり、親友の気持ちが落ち着くまでは、 毎週末のように散々酒に付き合わされた。 俺は都内で勤めていて、特に用事のない金曜

    本当に嘘のような本当の話
  • 『山月記』の李徴はなぜ虎になったのか

    千野 帽子 翻訳「小説列伝」準備中 @chinoboshka2017 最近「山月記」についていろいろ考えてるんだけど、李徴は反省が足りないね。 僕らTwitterユーザみたいな奴だね彼は。 2015-10-01 12:50:47 千野 帽子 翻訳「小説列伝」準備中 @chinoboshka2017 「山月記」は「最後まで反省が足りない人」を書いた残酷な話なんだよね。「表現」という制度の限界を書いた「表現」ということもできる。 中島敦はブッキッシュな文学者だけど、その立ち位置はじつは文学の外だったんだなーとわかる。 2015-10-01 13:37:26 千野 帽子 翻訳「小説列伝」準備中 @chinoboshka2017 「山月記」の李徴は「俺のやってたロックって、ロックじゃない世間を見下してるつもりで、ほんとは自分が世間を怖がってることを直視できないただの自己欺瞞だったんだ」って懺悔した

    『山月記』の李徴はなぜ虎になったのか
  • 教師として赴任して女学生を二人食ったリア充の権化の与謝野鉄幹。 二人目..

    教師として赴任して女学生を二人ったリア充の権化の与謝野鉄幹。 二人目にった女学生の友人、これが超肉系女子だった。 柔肌の熱き血潮に触れもみで寂しからずや道を説く君(与謝野晶子)訳 グダグダ言ってないで私を口説け!そして抱け!この草系が! 今読み返しても、こんなに肉系の詩は現代でも他にないかと思う。 かくして、肉系男子であった鉄幹は、自分よりはるか超肉系にして、歌人としての才能も数段上の晶子にわれた。 簡単に言うと、押しかけ女房された。 これが、膣に一晩いれたバナナをうという変態プレイで有名な与謝野夫婦である。 鉄幹、Mに目覚めたのだろうか? そののち、晶子は10人も子供を産む。 晶子にとっては、出産などちょっとデカい糞みたいなもんであった。 当時は出産が命に関わるとかなんとかいう話など通用しない。 子をおいてパリ遊学中の鉄幹 鉄幹「(最近俺、主導権握りっぱなしだから、い

    教師として赴任して女学生を二人食ったリア充の権化の与謝野鉄幹。 二人目..
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