税金の滞納が続いた場合、役所が徴収のために財産を差し押さえる場合がある。だが近年、悪質な差し押さえ行為が相次いでいるという。ジャーナリスト・笹井恵里子さんの新著『国民健康保険料が高すぎる! 保険料を下げる10のこと』(中公新書ラクレ)より、その実態の一部を紹介する――。(第2回/全3回) ■給与だけでなく不動産の差し押さえ、タイヤロックも 近年、給与収入や年金、不動産や自動車を差し押さえられる例が多発している。 大阪社会保障推進協議会が厚生労働省提供のデータをもとに分析を進めると、差し押さえ率が高い自治体が明らかになった(図表1参照)。ワースト3は、佐賀県、群馬県、長崎県だ(2016年度の分析)。例えば佐賀県は県全体で9億2641万円の滞納額に対し、9億192万円の金額を差し押さえている。群馬県にいたっては滞納額が県全体で約38億8700万円に対し、60億1700万円も差し押さえている。な