「コンピュータの計算能力ばかり追求するなど、日本の技術開発の方向性は間違っている」。日本IBMの岩野和生執行役員・ソフトウェア開発研究所長は,クラウド・コンピューティングに対する国内ITベンダーの取り組みをこう批判する。 たくさんのパソコンを活用して高速計算処理を実現させるPCグリッド・コンピューティングや,米アマゾン・ドット・コムが提供するストレージの時間貸しサービスに関心の目がいってしまい、クラウドによるパラダイムシフトを見逃している」という。 eソーシング、ITユーティリティ・コンピューティング、オンデマンド・コンピューティング、クラウド・コンピューティング--。米ITベンダーは次々に新しい言葉を生み出している。意図する内容は少しずつ異なるのだろうが、共通しているのはハードやソフトといったIT資源の共有化である。だが、日本のITベンダーの多くが,これらを「バズワード」(定義がはっきり
