ルールや規約にはつくられた当時には予期できないような〝抜け道〟ができてしまうことがある。そのこと自体を責めることはできない。ただ、問題が明らかになれば、変えていく必要はあると思う。 プロ野球の育成選手契約とフリーエージェント(FA)移籍で獲得した選手の「人的補償」の関係だ。 巨人は今オフ、DeNAからFA宣言した梶谷隆幸外野手と井納翔一投手を獲得した。FA選手は旧所属の球団の年俸順位(外国人選手と直近のドラフトで獲得した選手、育成選手を除く)によって、獲得する選手の年俸によってA~Cにランク分けされ、選手が所属していた旧球団はランクに応じて移籍先の球団に金銭や人的補償を求めることができる。 Aランクは旧球団の年俸上位1~3位、Bランクは4~10位、11位以下がCランクで、人的補償の対象はAとB。今回は梶谷選手がBランクで、DeNAは巨人がプロテクトした28人を除く支配下選手の中から1人を獲