【読売新聞】 新しい系統に属する可能性が高いRNAウイルスを発見したと、筑波大などの研究チームが発表した。見つけたのは九州地方の高温酸性の温泉で、チームはウイルスを「HsRV(温泉RNAウイルス)」と名付けた。論文が、科学誌「ネイチ
深谷 雄志 (米国Princeton大学Lewis-Sigler Institute for Integrative Genomics) email:深谷雄志 DOI: 10.7875/first.author.2016.068 Enhancer control of transcriptional bursting. Takashi Fukaya, Bomyi Lim, Michael Levine Cell, 166, 358-368 (2016) 要 約 近年の研究により,転写は連続的ではなくオンとオフをくり返す不連続な反応であることが明らかにされた.この現象は転写バーストとよばれ,細菌から酵母,ショウジョウバエ,哺乳類にまで保存された普遍的な現象であると考えられる.しかしその一方で,転写バーストの起こるしくみや生物学的な意義について理解は進んでいない.とくに,エンハンサーと転写バー
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という)海洋生命理工学研究開発センターの小林英城主任研究員は、低頻度コドン( ※1)で構成された緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein:以下「GFP」)(※2)を人工合成し、これを細菌やがん細胞、ウイルス等内で発現(遺伝情報に基づいてタンパク質を合成)させることで、それらの増殖を種類を問わず(非特異的に)抑制することに成功しました。 細胞が正しく増殖するためには、その設計図であるDNAが正確に複製される必要があります。この複製の過程で遺伝子がDNAを構成するタンパク質を合成します(翻訳される)が、タンパク質の材料であるアミノ酸を正しく配列させるのに必要なものがコドンです。このコドンには様々な種類がありますが、個々の使用頻度には偏りがあります。このうち使用頻度の低いコドン(低頻度コ
遺伝子発現システムの弱みを狙って、細胞やウイルスの増殖を抑える新手法の原理が発見された。遺伝暗号のコドンは4種類の塩基3個からなり、64種類(=4×4×4)ある。そのうち使われる頻度が低い低頻度コドンで構成された緑色蛍光タンパク質(GFP)を人工合成し、これを細菌やがん細胞、ウイルスなどで発現させると、それらの増殖の種類を問わず、非特異的に抑制することに、海洋研究開発機構の小林英城(こばやし ひでき)主任研究員が成功した。将来は、がんや感染症の治療に使える可能性をはらむ基礎的な発見といえる。3月13日付の米科学誌Applied and Environmental Microbiologyに発表した。 生物は、遺伝の設計図のDNAからタンパク質を合成する。その際に、タンパク質の材料である20種類のアミノ酸を正しく配列させるために欠かせないのがコドンである。64種類のコドンには、個々の使用頻度
要旨 理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター トランスクリプトーム研究チームのピエロ・カルニンチ チームリーダー(副センター長)、アレクサンダー・フォート客員研究員と、理研統合生命医科学研究センター免疫器官形成研究グループの古関明彦グループディレクターらの研究グループは、ES細胞(胚性幹細胞)とiPS細胞(人工多能性幹細胞)で発現する全てのRNAを比較解析し、ES細胞で発現しているノンコーディングRNA(ncRNA)[1]の多くが、iPS細胞では十分に発現していないことを発見しました。 iPS細胞の作製法が2006年に報告されて以来、分化した体細胞を効率良くリプログラミング(初期化)し、ES細胞と同等の性質を持つ高品質のiPS細胞を安定して得るための試みが続けられています。体細胞に由来するiPS細胞と受精卵に由来するES細胞は、幹細胞としての性質の多くが共通しています。し
開発する新診断法はまったく新しい原理に基づく。がん細胞から血液中に流れ出している小胞のエクソソームに含まれるマイクロRNA(18~25塩基ほどからなる短いリボ核酸)を高感度に検出する。13種類のがんと認知症に特徴的なマイクロRNAを組み合わせて、従来は見逃されていた各種がんや認知症を早期に発見する。 プロジェクトは、国立がん研究センターや国立長寿医療研究センターが蓄積している膨大な臨床情報や血液サンプルを解析して、早期診断に使えるマイクロRNAを見つけ出す。5年後までには、医療現場での実用化を目指す。東レや東芝などの企業にも委託する。 NEDOは「各種のがんでそれぞれ5000症例以上の疫学データを基に、精度の高い新診断法を開発する。マイクロRNAによる早期診断は各国で注目されているが、より良い方法を日本で早く確立したい。来年度以降は、新設される日本医療研究開発機構に引き継ぐことも念頭に置い
東京大学は2月7日、筑波大学、九州工業大学との共同研究により、ウイルス感染と戦うための「自然免疫」を制御する新たな生体分子を発見してその分子機能を解明、発見した生体分子はタンパク質へ翻訳されない特殊なRNA分子の「長鎖ノンコーディング(nc)RNA」であることが判明したと発表した。 成果は、東大 アイソトープ総合センターの秋光信佳准教授、東大大学院 薬学系研究科大学院生の今村亮俊氏らの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、米国東部標準時間2月6日付けで「Molecular Cell」にオンライン掲載された。 20世紀後半から21世紀初頭にかけて行われたヒトゲノムプロジェクトの成果の1つが、それまではジャンク(機能のない無駄なDNA配列)と考えられていたゲノムDNAの配列からも多様な機能未知の転写産物RNAが生み出されていることを明らかにした点だ。 これら機能未知のRNAは、メッセン
慶應義塾大学(慶応大)と理化学研究所(理研)は1月14日、中枢神経系の神経細胞や「グリア細胞」を生み出す元になる「神経幹細胞」の分化能が、特定の「miRNA(microRNA:小分子RNA)」によって制御されていることを明らかにしたと共同で発表した。 成果は、慶応大 医学部生理学教室の岡野栄之 教授、同・島崎琢也専任講師、理研 統合生命医化学研究センター 免疫転写制御研究チーム 幹細胞制御研究 YCIラボの金田勇人 上級研究員らの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月13日付けで米科学雑誌「米科学アカデミー紀要(PNAS)」オンライン速報版に掲載された。 神経変性疾患を含む中枢神経系の傷害の効果的な治療法の開発は、超高齢社会に突入した日本などにおいては認知症患者の増加などにより重要な社会的課題となっている。その抜本的解決策として幹細胞を用いた薬剤開発や再生医療が期待されているが
京都大学は11月8日、東京大学との共同研究により、ほ乳類において、化学修飾されたメッセンジャーRNA(mRNA)が「概日(サーカディアン)リズム」の周期を決定していたことを解明したと発表した。 成果は、京大 薬学研究科の岡村均教授、同・Jean-Michel Fustin特定研究員、同・薬学研究科の掛谷秀昭教授、東大循環器内科の眞鍋一郎講師らの共同研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間11月8日付けで米科学誌「Cell」に掲載された。 化学修飾は物質の性質を根本的に変え、多くの生物で、これを利用して多様な生命現象が営まれている。「リン酸化」、「アセチル化」、「メチル化」、「ユビキチン化」などがその主なものだ。この内、アセチル化は、主にタンパク質の性質を変化させる重要な反応で、多くの生理機能が知られているが、核酸では用いられない。 メチル化は広く、核酸、タンパク質、特に「ヒストン
2013年11月09日 論文紹介 セミナーが終わって一息といきたいところですが、来週は論文紹介が当たっています。今回は、転写がactiveな領域では、そこから転写されたncRNAがDNMT1に結合してその活性を抑制している、という話をやるつもり。これは全く予想できない話で、自分らの話より一ヶ月後にオンラインになったにも関わらず、もうPV数では追いぬかれているんですが、それも納得ですな。ncRNAをつぶすと、すぐにメチル化が起こって転写が抑制されるということはde novoのメチル化が起こっている=ターゲットはDNMT1だけじゃない? or DNMT1にde novoメチル化酵素としての活性がある?そもそもメチル化がないところで、どうして維持メチル化酵素を阻害する必要があるのか?というところは気になるところですが、ちらっと読んだだけなので、読み落としがあるのかも。 先週は送ってもらった抗体を
ポイント mRNA制御機構であるpre-mRNAスプライシングに関わる「RID1」を単離 RID1の機能は植物特有の高い再生能力の基礎となる脱分化や器官再生に加えて発生に必須 クローン増殖が難しい有用植物に有効なバイオテクノロジー開発への足がかり 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)と東京大学(濱田純一総長)は、植物の脱分化[1]・器官再生・発生において、遺伝子発現に必須な過程の1つであるmRNAからイントロン(遺伝子領域のうちタンパク質配列を指定しない領域)を除去する「pre-mRNAスプライシング[2]」と呼ばれるRNA制御機構が重要な働きを持つことを明らかにしました。これは、理研環境資源科学研究センター(篠崎一雄センター長)バイオマス工学連携部門 セルロース生産研究チームの大谷美沙都研究員、出村拓チームリーダーと東京大学大学院理学系研究科の杉山宗隆准教授による共同研究グループの
未知機能を多く秘めた「投げ縄型イントロンRNA」の検出法を開発 -イントロン由来の環状RNAを直接蛍光検出し、さらなる機能解明に期待- ポイント 還元反応で蛍光発光する化学反応に基づき、投げ縄型イントロンRNAを検出 投げ縄型イントロンRNAを直接かつ特異的に検出し、500pMの高感度を達成 重要な生物学的役割が分かってきたジャンクRNAの機能解明に貢献 要旨 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、これまでガラクタとされながらも、他の遺伝子の発現を調節する機能など重要な生物学的役割が明らかになってきた「投げ縄型イントロンRNA※1」の蛍光検出法を開発しました。これは、理研基幹研究所(玉尾皓平所長)伊藤ナノ医工学研究室の阿部洋専任研究員(JSTさきがけ兼任)、古川和寛訪問研究員(現Yale大学博士研究員)、田村泰嗣研修生、伊藤嘉浩主任研究員と、吉田化学遺伝学研究室の芳本玲特別研究員、
広告企画 Nature 2011年12月1日号 この10年で、ヒトやマウスの大規模なゲノム解析が進み、タンパク質をコードしないnon-coding RNA (ncRNA)の存在が、あぶり出されることになった。当初、研究者の多くが「ゲノムのがらくた」としたncRNAだが、あまりの量の多さから「何らかの機能をもつ」と考えられるようになり、新たに研究されはじめた。その結果、核内の低分子RNAや20塩基程度のマイクロRNAには、発生、分化、代謝、ウイルス耐性、発がんなどのさまざまな機能が秘められていることがわかってきた。一方で、数百から数千塩基対に達する「長鎖ncRNA」については、やや出遅れていた感があった。ところが、ここへ来て興味深い成果が相次いでいる。ゲノムワイドな遺伝子発現制御に関与することがわかってきた長鎖ncRNAについて、最新の研究成果を紹介する。 サイエンスライター 西村尚子 夜明
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