副業農家を増やし主業農家の衰退を招いた過去の農政。農業を立て直すには、コメの価格をさらに下げ、農地が主業農家に集中するシステムを作り出すことだ。 戦前から農政には小作人の解放と並んで零細農業構造の改善という目標があった。 農商務省に勤務した日本民俗学の巨人、柳田國男は、企業として経営できるだけの農業規模をもつ農業者の養成を論じた。 柳田氏は言う。 「日本は農国なりとは、農業の繁栄する国という意味ならしめよ。困窮する過小農の充満する国という意味ならしむなかれ」 コメへの生産集中で麦は減少1961年制定の旧農業基本法は、農業の規模拡大によるコストダウンによって零細農業構造を改革し農工間の所得格差是正を図ることを目的とした。所得は売上額(価格×生産量)からコストを引いたものだ。コメのように需要、売上額の伸びが期待できない作物でも、農場の規模を拡大していけば、コストは低下し農家所得は増加するはずだ