たび重なるトラブルを乗り越え、打ち上げから7年をかけて地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ」のプラモデルが人気を集めている。初回の販売は数日で完売。通常のヒット商品の4、5倍という売り上げをみせている。制作元の青島文化教材社(静岡市葵区)は「はやぶさが奇跡的に帰還してくれたおかげ」とほくほく顔だ。 生産を思いついたのは、昨年11月。「手に入らなくてロマンがあるメカはないか」と、企画開発部の長谷川健さん(37)が思案していたところ、インターネットの動画サイトではやぶさを応援する映像を見たのがきっかけだった。日本の技術で作られ、町工場の職人の手によるパーツが使われているはやぶさに心を揺さぶられた。 案を持ちかけると、周囲は「はやぶさって何?」「地球に帰ってくるかもわからない。やめたほうがいい」と冷たい反応だった。エンジンが壊れて絶望視された帰還の可能性は残っていたものの、本当に帰還できなければ