最近、不動産市場には明るい話題がない。 まず、新築マンションが相変わらず売れていない。現場では、多数売れ残るマンションを大幅に価格改定したり、イメージを一新したりと、さまざまな販売努力が行われている。 都内のとあるマンションでは、本来同価格であるはずの物件が、購入者ごとに値引きの幅が異なっていた。5000万円の物件を、購入者Aには4000万円で売り、購入者Bには4300万円で販売する。購入者の基礎的条件や要望に合わせ、契約価格を設定する方式であり、まさに「時価販売」を行っているのだ。 また郊外にある、とあるマンションでは、当初アーバンチックな装いで売り出していたものの販売がまったくと言っていいほど振るわなかったため、タイミングを見計らってファミリー向けに装いを一新、価格も大幅に改定した。少なくとも表面的には、以前とは全く違った物件に生まれ変わった。それでもモデルルーム、販売センターを