日本の衣料品産業は1990年以降、安い生産地を求めて中国や東南アジアに渡った。国内の繊維業界の製造事業者の数は約4分の1に減り、アパレルの市場規模はその間、15兆円から10兆円にまで縮小した。高齢化の波も高まり、シャツやズボン、帽子などを縫製する工場も減り続けた。 熊本市で2014年に「シタテル(sitateru)」を起業した河野秀和(43)は、それでも「僕にとっては宝探し」と言って、国内に散らばる縫製工場を探し続けた。静かな山奥にある小さなデニムを作る工場を訪ねて、山歩きをすることもあった。 「グーグルの検索でも出てこない高い技術を持つ工場を見つけると、子どもの頃に宝探しをして遊んだ時の気持ちが蘇るんです」 「グーグルの検索でも出てこない縫製工場や帽子工場を見つけると、宝探しをして遊んだ頃の気持ちが蘇る」と話す河野秀和。Business Insider Japanシタテルはなぜ色褪せた宝