「命を脅かされても人工妊娠中絶手術を行い続ける一医師の信念と行動は、とても興味深く、読み応え充分」(本誌・川崎寿子) 「合法的な人工中絶を支持するアメリカ人は国民の約半分といわれるが、反対派は脅迫や暴力、殺人を犯してでも手術を行う医師を攻撃する。『撃たれる確率が91%から89%に減っても大差ない』と言い切る産科医の信念に、自由の国アメリカの矛盾を見た」(本誌・山田敏弘) 「丹念な長期取材からしか生まれない圧倒的なリアリティーと、建前を超越した視点に心を動かされました」(本誌・佐伯直美) 命を脅かされながらも人工妊娠中絶の手術を続けるリロイ・カーハート医師の素顔 09年5月、日曜日の午前10時過ぎ。ネブラスカ州オマハの近くにあるクリニックの医師リロイ・カーハートの携帯電話が鳴った。しかし人工妊娠中絶の手術の最中で出られなかった。 カーハートが手術後に携帯電話をチェックすると、電話をかけてきた