在英研究者、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で研究室を主宰。免疫学者/皮膚科医。本ブログおよびツイッター(@masahirono)では、主に英国事情、政治社会などについて私見をつぶやいています。研究用ホームページはこちら 実は現在の免疫学の(さらには多くの医学生物学の)測定データの殆どが「スナップ撮影」にすぎない。そして時間の間隙は、想像で埋めることで理論が組み立てられている。これは自明のことだけれど、この問題の重要性に気がついていない人が多い。実際、免疫学の誤謬の大きな原因はここにあるのは間違いないのだが、書かれていない・聞いたことがない話を書いても、何のことかと思われるのが関の山であろう。だから、ちょっとその背景を詳しく書いてみたいと思った。 1.エレファントマン臨床試験と制御性T細胞 2006年「制御性T細胞標的免疫療法」の臨床試験が行われた英国では、試験薬で多臓器不全に
Biosimilarのニュースを聞かない日が無くなりつつある。一時はカニバリに懐疑的なグローバルメガが躊躇する間隙を縫って成功を収めたVBも出たが、patent cliffなどによる収益機会の減少で形振り構わなくなったグローバルメガが軒並み参入するようになって勢力図は変わって来たように思う。先日もEPIRUS BiopharmaceuticalsがRemicadeの後発品のPh3で良好な結果を発表したがぱっとしない。 http://www.epirusbiopharma.com/news-articles/BOW-015-Positive-P3-Data.html Biologicsの雄の1つであるAmgenなどもEPOやG-CSF以外のBiosimilarはフルラインアップで開発をしていくようだが、一方で先般もTevaとLonzaがbio similar VBを解消しているように、こうし
京都大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)准教授 文部科学省所轄の科学技術政策研究所がまとめた、今後30年の技術発展の「未来地図」が、今月10日に発表された。これによれば、iPS細胞(誘導多能性幹細胞)による再生医療が実現するのは2032年であり、砂漠の緑化技術が普及するのは2029年である。ちなみに本調査は、各調査分野に詳しい大学教授や民間技術者ら約2,900人による予測というから、いわゆる専門家の間の合意(コンセンサス)とみなしてよいだろう。 そして、多くの国民は、ここでひとつの素朴な疑問を感じるに違いない。「なぜそんなに時間がかかるの?もっと早く実現すると思っていたけど?」という疑問をである。確かに、巷の報道は、あたかも明日にでも実現しそうな風潮である。 たとえば、本年7月7日の毎日新聞朝刊に記載されネット配信された、以下の記事を見てみよう。 iPS細胞で安全にせ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く