住田町世田米の気仙川に架かる昭和橋。文字通り昭和期から80年以上にわたって両岸を行き交う人々の移動を支えている中、治水対策に伴う架け替えが当初計画よりも前倒しして実施される見通しとなった。橋脚の間隔を広げ、橋の高さを上げるといった安全性だけでなく、交通環境の充実や古き良き建造物を生かしたまちづくりにも向き合わなければならない。将来を見据えたまち全体を描くデザインと、幅広い視点をふまえた合意形成が求められる。(佐藤 壮) 交通環境、歴史的景観の活用… 昭和橋は昭和8年に架設。世田米商店街と、役場や農林会館など公共施設が集積する両岸を結ぶ。橋の長さは72・9㍍で、交通可能な道幅は3・2㍍と決して大きくはないが、町中心部に位置するとあって通行量は少なくない。 一方で、車両がすれ違うことができず、渡り終えるまで待ち続ける光景もよく見られる。また、登下校の小中学生や近隣で開設されるよりあいカフェ、ま