Baddeley (1986)[2] によれば、音韻ループは、音韻ループは音韻貯蔵庫 (phonological store) と、構音リハーサル (arituclatory rehearsal) という大きく2つのシステムから構成されている。入力信号は音韻貯蔵庫と出力バッファとの間で構音リハーサルを繰り返しながら記憶痕跡を強め、中央実行系の指令を受けて音声として出力される。このモデルによれば、聴覚呈示された音声入力は音韻貯蔵庫へと直接入力されるのに対し、視覚呈示された文字や語は貯蔵庫には直接入らず、視覚コードから聴覚コードへの変換後に構音リハーサルされることで音韻貯蔵庫へと入力されるのだという[3]。 ただし、音韻ループに関する研究のほぼ全ては言語や音声に関するものであり、非言語の聴覚刺激(環境音や音楽等)がどのように音韻ループで処理されるかについては、今後の研究が待たれる[4]。 心理