在日韓国人の男性(53)が工事現場で働く際に通名(日本名)を使うよう強制されて精神的苦痛を受けたとして、大手ゼネコンや国などに100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が26日、大阪高裁であった。林圭介裁判長は「通名使用を強いたことは否定できないが、社会的に許容できない対応とは認められない」として、原告側の控訴を棄却した。 判決によると、男性は平成21年9月~22年1月、大阪市内の工事現場で、大手ゼネコンの下請け建設業者に雇われ働いた。現場での登録名は通名とされ、ヘルメットにも通名のシールが張られた。 林裁判長は判決理由で「雇用手続きについて業者に誤解があり、不必要な通名使用を強いたことは否定できない」とする一方、「業者の対応は男性を速やかに仕事に従事させるためで、アイデンティティーを侵害するなどの悪意は認められない」と判断した。 男性は判決後、「非常に残念な結果だ」と述べた。 今年1月