河村たかし元名古屋市長(以下、元市長)は、長年にわたる名古屋城木造復元の混乱を収めることなく辞任、そして国政に行ってしまわれました。名古屋城問題に関してはこの連載でずいぶん書いてきましたが、今回は結局何が問題だったのかを、最後にわかりやすくまとめて、今後について予測しておきたいと思います。 まず元市長が2009年、最初に市長選に出馬した時は、役人出身でも自民党員でもなく、また「気さくな34歳」として政治活動を始めた頃から知っていたことで、新たな市政を期待して私も一票を投じました。その頃は名古屋城に関する発言はなかったと思います。元市長は歴史好きというより「一発逆転をした信長が好き」だったようで、名古屋の観光振興に信長と桶狭間の戦いを活用しようと、それまで地味だった緑区の桶狭間古戦場の整備に力を貸し、桶狭間の戦いに向かう信長が通ったと思われる道を「信長攻路」として定め、その近辺の歴史スポット