ハルヒが写す「自画像」 ライトノベル代表作の世界観(1/2ページ)2011年6月2日10時56分 涼宮ハルヒシリーズの歩み ゼロ年代のライトノベルを代表する「涼宮(すずみや)ハルヒ」シリーズの最新作『涼宮ハルヒの驚愕(きょうがく)』が刊行された。初版は前後編各51万3千部。現代社会の空気を反映しながら着実に読者を増やしていく「ハルヒ」の世界観を「解析」する。 「ハルヒ」が世に広まる契機は2006年のテレビアニメ化だった。1990年代、魔族が人間と併存する異世界を描いたラノベの金字塔的作品「スレイヤーズ」のように、アニメから人気になるのはラノベの常道とも言われる。 では「ハルヒ」のヒットの特徴は何か。評論家の宇野常寛さんは「一種、オタクの自画像になっている」と話す。涼宮ハルヒたちは宇宙人や超能力など、オカルト的な非日常への憧れを口実に、日常的な部活動を楽しむ。その姿は、漫画やアニメをネタに対