今回紹介するのはジョセフ・ヒースの論文、「The Contribution of Economics to Business Ethics」である。 一応ビジネス倫理の論文だが、狭義のビジネス倫理学者はほとんど出てこない。どちらかというと、経済学がいかにしてビジネス倫理を受け入れるようになっていったかを、20世紀の経済学の発展とともに辿る、みたいな内容になっている。 いつものことだが要約は大雑把である。変なところがあればコメントしてほしい。 はじめに 経済学によるビジネス倫理への疑義 「見えざる手」はビジネスにおいて倫理を不要にする 競争はビジネスから倫理を締め出す 期待効用最大化モデルは倫理を不可能にする 厚生経済学とパレート効率性 合理的選択論の革命 囚人のジレンマ 実験ゲーム理論 組織の経済学 厚生経済学の基本定理 建設的な協力関係へ 市場の失敗アプローチ 企業の利潤志向 おわりに