訳注;この表現の意味するところについて、ジョージ・スティグラーは『現代経済学の回想』の中で次のように説明している。「・・・(略)・・・このスローガン(『無料の昼飯などというものはない』)は、常連たちに彼らの昼飯の間中ほとんどひっきりなしに飲ませてしまおうとして、サンドイッチ一皿に「昼飯無料」と書いた、古めかしい酒場の貼り紙からとってきたものと思われる。もちろん、この昼飯代は酒の価格にのせられており、そこでこのスローガンとなったのである。しかしこのことは、それよりもっと深い意味のことを語っている。意識的欲望の対象となるものは希少であるに違いない。すなわち、誰も呼吸する空気を意識して欲しいと思わない。あるいは下手な冗談を聞きたいとは思わない。希少なものは高くつく。もしそうでないと、すべての人々は希少なものをもう希少でなくなるまで手に入れるであろう。したがって希少なもの、および所有する価値がある