被害者も、加害者も。 あと15年で私も60歳になる。 どんな未来になっていくのだろう。 フィクションその1 俺は高齢者専門の当たり屋をやっている。多くは、その高齢者の家族の依頼によるものだ。高齢者は反射能力が衰えいる上、そもそも人を轢いたことに気付いていないこともある。 フィクションその2 私は高齢者が免許更新する際にリアル道路テストで飛び出し役をしている人型アンドロイド。今日も派手に轢かれて大出血し、老人をショック死させている。特に目を剥いてフロントガラスに叩きつけられると効果的だ。 フィクションその3 ボクは自動車保険のセールスマン。85歳以上の高齢者ドライバーに、通常の800パーセント増しの保険料が法律で義務付けされたのを説明する仕事が一番億劫だ。 フィクションその4 アタシの家族は、アタシが小さい時にみんな死んだ。おばあちゃんが運転するクルマに轢かれて。今は自動車事故は無くなった。