ヘッドホンで音楽を聴きながら、1日18時間以上の昏睡状態が続いた14歳のときの藤田紅良々さん=2019年、神戸市東灘区 髄液が漏れ、ひどい頭痛やめまいを引き起こす「脳脊髄液減少症」に悩まされてきた少女(17)=京都市在住=が3年半にわたる治療を経て、ようやく日常と将来への夢を取り戻そうとしている。1日18時間も眠り続け昏睡(こんすい)状態のようだったが、「ブラッドパッチ」という治療法が有効だった。しかし、専門医は少なく、少女は「同様の子どもたちのためにも広く治療ができる環境を」と声を上げる。(鈴木久仁子) 神戸市東灘区で暮らしていた藤田紅良々(くらら)さんは中学1年生のとき、体育の授業中に起きた事故がきっかけで脳脊髄液減少症を発症した。サッカーでドリブルをしていた際、後方から来た同級生がボールを奪おうと伸ばした足にひっかかって転倒し、「宙を吹っ飛び腰から落ちた」と話す。その翌日からひどい頭