今回のコラムも特別編です。前回の記事で議論した「絶歌」に加え、事件の2年後に出版された”元少年A”(以下A)の両親の手記である「『少年A』この子を生んで・・・・・・」を再読した感想を元にして、凶悪少年犯罪が生じる家庭環境について一緒に考えたいと思います。 Aとその両親の手記双方を突き合わせて読むことで見えることは、子供に安心感を与えることの大切さ、愛情が子供に誤解されるリスクの大きさ、また子供を過信せず、異変のサインを見逃さない距離で子供を見守ることの大切さです。 【詳細画像または表】 ■ Aの両親の言い分では「しつけは厳しくなかった」 Aの家庭は一見、平凡な家庭であり、ご両親はAをきちんとしつけ、愛情を注いだと思っているようです。 「死んでお詫びする勇気もない自分たちをお許し下さい」と手記に書かれていますが、行間からは「もし死を選ぶとしても、Aと自分たちが(許されなくとも)直接遺族に