「地元就職率10%アップ」という難問 地方大学を悩ます数値目標。地元就職を希望しない若者まで地域に縛ってもいい? 木代泰之 経済・科学ジャーナリスト 人口の東京一極集中が止まらず、若い世代を中心に毎年7~8万人の転入超過になっている。その流れを止めようと、文部科学省は2年前から、地方大学の卒業生を地元に就職させる「大学COC(Center of Community)プラス事業」を展開している。 参加大学は地域貢献のリーダーになるよう期待され、非公表だが、一律に「地元就職率10%(ポイント)アップ」の数値目標を課されている。これまで「グローバル人材の育成」一色だった行政の方向転換に、大学からは戸惑いや批判の声が聞かれる。 東京への転入が目立つ20~39歳の高学歴女性 東京への人口流入の突出ぶりはグラフ(下)を見れば一目瞭然。2014年度の転入超過は7万3千人で、うち女性が55%を占める。とり