大阪が生んだ芸術 この地で発展を 大阪には、日本一の陶磁器の美術館(大阪市立東洋陶磁美術館)がありますが、演劇には全く力を入れていません。しかし、日本を代表する劇作家、近松門左衛門の最大の傑作は、歌舞伎ではなく、文楽のために書かれたものです。 今、大阪に来る人はおおむね商用で、大阪の文化に接する人はそうたくさんいないでしょう。文楽を見るため大阪に来る人が増えたら素晴らしい。日本のいい文学を見せたらいいと思います。文楽は海外でも字幕付きで上演され、成功しています。米劇作家のロミュラス・リニー(1930~2011年)も、明らかに近松の心中物の影響を受けています。 このままでは、文楽の後継者となる志願者が少なくなるのが心配です。先日もある歌舞伎俳優が、歌舞伎にいい太夫(浄瑠璃語り)がいないことを心配していました。太夫育成は大阪のため、日本のためです。 そして日本の芸術を守るのは、世界のためです。