『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』 カビール・セガール/小坂恵理 訳 ハヤカワ・ノンフィクション文庫 好評発売中 私たちはなぜこんなにも「お金」に翻弄されてしまうのか? ウォール街の元投資銀行家が、リーマン・ショックの渦中に抱いた疑問の解明に挑む『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』が文庫化されました。今回新たに収録された、京都大学大学院の根井雅弘教授による巻末解説を公開します。 解説 根井雅弘(京都大学大学院教授) 本書の原著(Coined: The Rich Life of Money and How Its History Has Shaped Us)が刊行されたのは2015年だが、海外では、いち早くニューヨーク・タイムズ紙の電子版に書評が載った(2015年3月20日付)。その後、早川書房から日本語版(『貨幣の「新」世界史 ──ハンム