国際連合が「ジェノサイドの防止と処罰に関する条約」を採択してから、すでに60年余りが経過しました。しかし、旧ユーゴスラヴィア、ルワンダ、シエラレオネ、スーダン、東ティモール、インドなど冷戦後の世界各地で繰り返される大量殺戮の現実は、人類がいまだジェノサイドから自由でないことを示しています。 「犯罪の中の犯罪」とも、「極限的な人権侵害」ともいわれるジェノサイドは一体、いかなる政治的、社会的条件の下で、また何を目的として引き起こされるのでしょうか。そして不幸にもジェノサイドが起きた国や地域で平和と正義を実現し、破壊された社会を公正に再建するために、国際社会はどのような支援のイニシアティヴを発揮すればいいのでしょうか。また、そもそもジェノサイドを未然に防ぐために、私たちには何ができるのでしょうか。 IGS(Interdisciplinary Genocide Studies)にはこれらの問題を追