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  • ノア・スミス「自由市場経済は驚くほどうまくいってる」(2025年7月10日)

    Photo by Gage Skidmore via Wikimedia Commons どの経済アプローチがうまくいくかは,出発地点しだいで大きくちがってくる この十年にアメリカで党派を超えて見解が一致していそうな分野といえば,「自由市場経済学(あるいは「ネオリベラリズム」)は失敗した」「経済システムには見直しが必要だ」という話だ.もちろん,左翼はずっと前からこう信じ続けている.近年は,ヒューレット財団の人たちなど,主流の進歩派からそっちに合流する人たちも増えている.一方,右翼はというと,トランプのおかげで関税と移民制限がかけられて,優勢な正統教義としての自由貿易は放り捨てられている.それに,共和党全体も,化石燃料産業その他の伝統的な部門に肩入れしたがっている様子だ. 念のためはっきりさせておくと,このぼくも,新しい経済システムを求める主張を続けてきた面々の一人だったりする.長らく,ぼく

    ノア・スミス「自由市場経済は驚くほどうまくいってる」(2025年7月10日)
  • ノア・スミス「自由市場経済は驚くほどうまくいってる」(2025年7月10日)|経済学101

    Photo by Gage Skidmore via Wikimedia Commonsどの経済アプローチがうまくいくかは,出発地点しだいで大きくちがってくるこの十年にアメリカで党派を超えて見解が一致していそうな分野といえば,「自由市場経済学(あるいは「ネオリベラリズム」)は失敗した」「経済システムには見直しが必要だ」という話だ.もちろん,左翼はずっと前からこう信じ続けている.近年は,ヒューレット財団の人たちなど,主流の進歩派からそっちに合流する人たちも増えている.一方,右翼はというと,トランプのおかげで関税と移民制限がかけられて,優勢な正統教義としての自由貿易は放り捨てられている.それに,共和党全体も,化石燃料産業その他の伝統的な部門に肩入れしたがっている様子だ. 念のためはっきりさせておくと,このぼくも,新しい経済システムを求める主張を続けてきた面々の一人だったりする.長らく,ぼくは自

    ノア・スミス「自由市場経済は驚くほどうまくいってる」(2025年7月10日)|経済学101
  • ノア・スミス「移民への反発と反動が日本にも現れた」(2025年7月22日)

    いずれこうなるのは避けられなかった 「あんなところやこんなところで日は他の先進国に先駆けている」なんて話をみんなよくする.昔だったら,その手の話題はテクノロジーだった.もっと最近だと,たいてい,セックスしない若者とかの社会の動向が語られる.ただ,ぼくが日に暮らしていたときには,日アメリカの後追いをしてるところに気がつくことがよくあった.ファッション音楽文化では,なにかの流行がアメリカで最高潮を迎えてから5年から10年くらいあとになって日で人気になるように見えた [1] … Continue reading . 「アメリカを再び偉大に」(MAGA) やヨーロッパの「ドイツのための選択肢」党 (AfD) の特色である外国人嫌いで陰謀論を好み自国生まれ優先のポピュリズムは,長らく日の主流政治には基的に見られなかった.2012年から2020年まで首相をつとめた故・安倍晋三は右翼だ

    ノア・スミス「移民への反発と反動が日本にも現れた」(2025年7月22日)
  • ノア・スミス「移民への反発と反動が日本にも現れた」(2025年7月22日)|経済学101

    Photo by Mottinn via Wikimedia Commonsいずれこうなるのは避けられなかった「あんなところやこんなところで日は他の先進国に先駆けている」なんて話をみんなよくする.昔だったら,その手の話題はテクノロジーだった.もっと最近だと,たいてい,セックスしない若者とかの社会の動向が語られる.ただ,ぼくが日に暮らしていたときには,日アメリカの後追いをしてるところに気がつくことがよくあった.ファッション音楽文化では,なにかの流行がアメリカで最高潮を迎えてから5年から10年くらいあとになって日で人気になるように見えた.[n.1] 「アメリカを再び偉大に」(MAGA) やヨーロッパの「ドイツのための選択肢」党 (AfD) の特色である外国人嫌いで陰謀論を好み自国生まれ優先のポピュリズムは,長らく日の主流政治には基的に見られなかった.2012年から2020年ま

    ノア・スミス「移民への反発と反動が日本にも現れた」(2025年7月22日)|経済学101
  • ノア・スミス「アメリカ人は大量強制送還をほんとに嫌ってる」(2025年7月18日)

    世論調査を信じるなら,アメリカ人がトランプを選んだ理由は2つある:インフレをしずめることと,南部の国境を越えて入ってくる準合法・違法な移民の波を止めること,この2つだ.世間では,移民はトランプのいちばん強い争点だとみられていた.ありとあらゆる世論調査で,アメリカ人が国境に関するトランプの強硬政策を支持していることが示されていたし,なかには,大量強制送還の支持が広まりはじめているのを示すものすらあった.移民に関する世間の人たちの考えは,バイデン政権の頃よりもずっと否定的になった. でも,去年の8月にぼくはこう警告していた――「もしもトランプが大量強制送還で度を超したことをやったら,反発を招くだろう」 強制送還すべき人たちを見つけ出すには,アメリカ全土でご町内に深く立ち入って調べ回る必要がある.(…)違法にアメリカ国内に滞在している人たちやトランプ陣営が標的にしてる人たちは,大半がもう長年にわ

    ノア・スミス「アメリカ人は大量強制送還をほんとに嫌ってる」(2025年7月18日)
  • オスカー・サイクス「とあるキーウィのインフレ退治――インフレ目標はいかにして生まれ,広まっていったか」(2025年6月12日)

    インフレ目標は,いまや各国中央銀行で標準になっている.ところが,そのはじまりは,ニュージーランドで起きた何気ない発言と政治的なギャンブルだった――経済学者たちが真面目に取り合うのよりもずっと前のことだった. 今日の中央銀行の大半は,インフレ率の目標を設定している:つまり,インフレ率の数値目標を政府が公表して,中央銀行がその達成の任務にのぞむ.そのために用いる方法は,金利の変更,預金準備率の設定,金融証券の売買だ.昔からずっとそうだったわけではない.1990年代以前には,多くの中央銀行がマネーサプライや為替レートを目標に設定していた. インフレ率を目標に設定するように変わったといっても,べつに,専門家たちのあいだで「中央銀行に改革が必要」と共通意見が醸成されたおかげでも,経済学者たちの研究のたまものでもない.1980年代にニュージーランドの財務相を務めていたロジャー・ダグラスが明確なインフレ

    オスカー・サイクス「とあるキーウィのインフレ退治――インフレ目標はいかにして生まれ,広まっていったか」(2025年6月12日)
  • オスカー・サイクス「とあるキーウィのインフレ退治――インフレ目標はいかにして生まれ,広まっていったか」(2025年6月12日)|経済学101

    オスカー・サイクス「とあるキーウィのインフレ退治――インフレ目標はいかにして生まれ,広まっていったか」(2025年6月12日) インフレ目標は,いまや各国中央銀行で標準になっている.ところが,そのはじまりは,ニュージーランドで起きた何気ない発言と政治的なギャンブルだった――経済学者たちが真面目に取り合うのよりもずっと前のことだった. 今日の中央銀行の大半は,インフレ率の目標を設定している:つまり,インフレ率の数値目標を政府が公表して,中央銀行がその達成の任務にのぞむ.そのために用いる方法は,金利の変更,預金準備率の設定,金融証券の売買だ.昔からずっとそうだったわけではない.1990年代以前には,多くの中央銀行がマネーサプライや為替レートを目標に設定していた. インフレ率を目標に設定するように変わったといっても,べつに,専門家たちのあいだで「中央銀行に改革が必要」と共通意見が醸成されたおかげ

    オスカー・サイクス「とあるキーウィのインフレ退治――インフレ目標はいかにして生まれ,広まっていったか」(2025年6月12日)|経済学101
  • ノア・スミス「アメリカ人の賃金は間違いなく上がってるよ」(2025年7月8日)

    もう何年ものあいだ,「アメリカの賃金は何十年も上がってない」というグラフや言辞やミームがあれこれと洪水のように出回っている.たとえば,バーニー・サンダースは定期的にこんなことを言っている――賃金は50年前よりも下がっているのですよ.でも,それってホントだろうか? ちがうよ.この主張の根拠は,ただひとつのデータセットだ:民間部門の平均時間給を消費者物価指数で割った数字が,それだ.この賃金指標を見ると,たしかに1973年を2019年の賃金は下回っている.でも,かわりに PCE 物価指数を使うと――つまり,過去に消費されていたモノではなくみんなが現在消費しているモノの価格変動を見てる数字を使うと――様相は一変する: これだけでも,アメリカ経済全体が賃金成長をもたらしているのを示すのに十分だ(もちろんもっと伸びててくれればそれに越したことはないけど).でも,賃金トレンドに関してぼくらが個人レベルで

    ノア・スミス「アメリカ人の賃金は間違いなく上がってるよ」(2025年7月8日)
  • ノア・スミス「女性差別が高い出生率のカギってこと?」(2025年7月8日)

    出生率をめぐる世間の議論は,ひどく呪われている.高齢化と人口縮小は,長期的に見て経済の大問題だけど,まだ誰も,解決法を考えついていない.それでいて,この問題をめぐる論争がはじまると一瞬で人種差別と性差別へと堕落していって,さらに,人種差別と性差別の非難が続く.そのせいで,この迫り来る脅威と真剣に向き合う用意を,社会全体としてのぼくらはまだ整えられずにいる. なぜこうなっているかというと,ひとつには,女性の教育出生率に成り立っている相関がある.このグラフを見てもらおう.平均的な女性が高校を卒業する国に,出生率が高いところはひとつもない: Source: Peter Hague 右派がこの相関を見ると,たんに因果関係がうかがえるだけじゃなく,鉄の法則が浮かび上がってくる――「人類を維持したければ,女の子たちが学校に行くのと止めないといけない」ってことになってる.それで,彼らはこう信じているわ

    ノア・スミス「女性差別が高い出生率のカギってこと?」(2025年7月8日)
  • アレックス・タバロック「家電の耐久性が下がってるって,ホント?」(2025年6月23日)

    多くのアメリカ人は,こう信じている.「ここ数十年で,家電の耐久性はどんどん落ちてきた.」 これに対して,Wirecutter のレイチェル・ウォートンが秀逸な反論を書いてる.彼女の結論は,ぼくが衣服の品質を調べて見つけたのとそっくり,うり二つだ:たしかに,耐久性はいくぶん下がっているけれど,それをもたらした主な要因は,購買客たちの好み・規制の変化・ボーモル効果だ.べつに,企業のよこしまな行いのせいでも,文化の堕落のせいでもない. 「みんな言うよね,『メイタグの洗濯機は50年使えたのに』って.」 かつて家電メーカーのワールプール・コーポレーションで製品エンジニアをしていたダニエル・コンラッドはそう語る.彼はいま,商用冷凍設備会社で,設計品質・信頼性・製品検証部門の責任者を努めている.「でもね,そこまで長持ちしなかった他の450万台の洗濯機のことは,誰も語らないんだよ.」 利用可能な証拠を見る

    アレックス・タバロック「家電の耐久性が下がってるって,ホント?」(2025年6月23日)
  • ノア・スミス&クリス・ベスト「《Twitterの時代》はついに終わろうとしている.Substackがその後釜に座れるかな」(2025年5月27日)|経済学101

    ノア・スミス&クリス・ベスト「《Twitterの時代》はついに終わろうとしている.Substackがその後釜に座れるかな」(2025年5月27日) メディアの未来についてちょっと考えてみたことこの記事はクリス・ベストの見解を反映するものではない.執筆者に名前を入れているのは,動画チャットの方に出てくれているからだ. 先日,Substack の CEO クリス・ベストとおしゃべりをした.動画は上に貼り付けてある.話題は,メディアの未来だ.もっぱら,みんながニュースや分析をどうやって共有しているのかってことが議論にのぼった.かつて,突発的なニュースや議論を見つけようと思ったら X(旧 Twitter)にいけばなんでも間に合った.いまや,X がかつての有用性を大きく失ってしまってる点については,ぼくら2人は同意見だ.そして,Substack がその役割を引き継げそうな方法についても,いくらかアイ

    ノア・スミス&クリス・ベスト「《Twitterの時代》はついに終わろうとしている.Substackがその後釜に座れるかな」(2025年5月27日)|経済学101
  • マット・アルト「日本のポップカルチャーについて:日本はキミらのことなんかク○ほども気にしない」(2025年5月17日)

    アメリカのポップカルチャーは衰退しつつある」説をとるとしよう.では,どうして今,日アメリカと真逆の経験をしているんだろう? どうして日はポップカルチャー大盛況の時期を迎えているんだろう? それこそ,日のポップカルチャーが世界中で成功している秘訣だ スペンサー・コーンハーバが『アトランティック』に寄稿したエッセイ「アメリカ・ポップカルチャー史上最悪の時代が到来か?」が公開されてから,2週間で大きな反響がうまれている.友人のW・デイヴィッド・マークスやノア・スミス〔当サイトでの翻訳はこちら〕をはじめとして,多くの人たちがこれに触発されて議論に参加してきた――「アメリカ当に『文化の暗黒時代』に入ったのか?」「もしそうだとしたら,理由は?」 そこで展開されている主張は,こう続く.「アメリカテレビ映画音楽は後ろ向きになっている.昔から続いていてもう味がしないシリーズを繰り返したり

    マット・アルト「日本のポップカルチャーについて:日本はキミらのことなんかク○ほども気にしない」(2025年5月17日)
  • マット・アルト「日本のポップカルチャーについて:日本はキミらのことなんかク○ほども気にしない」(2025年5月17日)|経済学101

    それこそ,日のポップカルチャーが世界中で成功している秘訣だスペンサー・コーンハーバが『アトランティック』に寄稿したエッセイ「アメリカ・ポップカルチャー史上最悪の時代が到来か?」が公開されてから,2週間で大きな反響がうまれている.友人のW・デイヴィッド・マークスやノア・スミスをはじめとして,多くの人たちがこれに触発されて議論に参加してきた――「アメリカ当に『文化の暗黒時代』に入ったのか?」「もしそうだとしたら,理由は?」 そこで展開されている主張は,こう続く.「アメリカテレビ映画音楽は後ろ向きになっている.昔から続いていてもう味がしないシリーズを繰り返したり,ヒット作の前日譚を出してみたり,リブートをやってみたり,「インターポレーション」をやったり,派生作品をつくったりするばかりだ.一方,オンラインでは,インフルエンサー志望者が形になってないコンテンツを大量に世の中に送り出して,

    マット・アルト「日本のポップカルチャーについて:日本はキミらのことなんかク○ほども気にしない」(2025年5月17日)|経済学101
  • ノア・スミス「グローバル化はアメリカの中流階級を空洞化しなかった」(2025年5月8日)

    Photo by Maximillian Conacher on Unsplash 保護主義を唱える人たちの物語は,事実より迷信に近い もう何年ものあいだ,「アメリカは製造業を強化すべきだ」とぼくは提唱し続けている.再工業化にアメリカ人が乗り気になったときには,ぼくは「いいぞいいぞ」と応援した.ジョー・バイデンの産業政策をぼくは大いに支持していたし,一期目のドナルド・トランプが自由貿易志向のコンセンサスを打ち壊したのを称賛すらした. トランプ関税を経ても,その点についてぼくの考えはまったく変わっていない.たしかに,この関税は災厄だ.ただ,それはべつに,製造業を強化しているから酷いんじゃなくて,逆に,こうしておしゃべりしてる間にもアメリカの脱工業化を進めているから酷いんだ.トランプ関税によって,いままさにサプライチェーンと輸出市場を活用するアメリカ製造業の能力が破壊されていっている.トランプ

    ノア・スミス「グローバル化はアメリカの中流階級を空洞化しなかった」(2025年5月8日)
    optical_frog
    optical_frog 2025/05/13
    ※note版と本家 Econ101 版を同時に公開する方針に変わった
  • ノア・スミス「グローバル化はアメリカの中流階級を空洞化しなかった」(2025年5月8日)|経済学101

    Photo by Maximillian Conacher on Unsplash保護主義を唱える人たちの物語は,事実より迷信に近いもう何年ものあいだ,「アメリカは製造業を強化すべきだ」とぼくは提唱し続けている.再工業化にアメリカ人が乗り気になったときには,ぼくは「いいぞいいぞ」と応援した.ジョー・バイデンの産業政策をぼくは大いに支持していたし,一期目のドナルド・トランプが自由貿易志向のコンセンサスを打ち壊したのを称賛すらした. トランプ関税を経ても,その点についてぼくの考えはまったく変わっていない.たしかに,この関税は災厄だ.ただ,それはべつに,製造業を強化しているから酷いんじゃなくて,逆に,こうしておしゃべりしてる間にもアメリカの脱工業化を進めているから酷いんだ.トランプ関税によって,いままさにサプライチェーンと輸出市場を活用するアメリカ製造業の能力が破壊されていっている.トランプ式ア

    ノア・スミス「グローバル化はアメリカの中流階級を空洞化しなかった」(2025年5月8日)|経済学101
  • ノア・スミス「貿易赤字で国は貧しくならないよ」(2025年4月4日)

    貿易赤字にはたしかに問題もあるけれど,トランプが思っているのとはちがう 合理的に議論したり経済理論を解説したりしてトランプ関税を打ち負かせるとは思わない.いや,こういう手合いとどう議論したらいい? キミには新しい iPad なんて必要ない キミには新しいスマホなんて必要ない キミには新しいゲーム機なんて必要ない キミはそういうのを欲しがっているんだ 「必要である」と「欲しい」とは大違いだ 関税について泣き言を言っている人たちを見かけたら,ぜひ質問してやってほしい.この関税で自分の生活がなにか変わったのかい,って ぼくは,しぶしぶ受け入れることにした――「広範囲にわたる関税はダメだ」と幅広いアメリカ人が気づくには,我が身で痛い目をみるしかない.つまり,熱々ストーブに触って火傷をしてみないとわからないんだ.さいわい,遠からずアメリカ人は火傷しそうだ: Source: Gallup こんな話をし

    ノア・スミス「貿易赤字で国は貧しくならないよ」(2025年4月4日)
  • ノア・スミス「権威主義体制がアメリカを乗っ取る企てがはじまってる」(2025年4月15日)

    悲しいけど,警告されてたことなんだよね. 関税でアメリカ経済が下水に流されようかというときにすら,トランプ政権は他にも愚かなことをやっている.関税ほどハデに愚かではないけれど,もっと長期的にもっと暗い帰結をもたらしうる愚行だ.先日,トランプ政権はキルマル・アブレゴ・ガルシアというエルサルバドル人男性を無実の罪で逮捕して,エルサルバドルの刑務所に送り込んだ.犯罪の告発もなく裁判もなしで,だ.あとになって,政権はガルシアの逮捕が過誤だったと認めた――ガルシアは強制送還からの保護が裁判所によって与えられたけれど,トランプの配下たちはそれでも彼をふんづかまえた. それから数日後,トランプ政権がアブレゴ・ガルシアがアメリカに戻るのを「促進する」ようにとの下級裁判所の命令を,最高裁判所は全員一致で支持した.当初,トランプは最高裁判所の判断を尊重すると発言していた.ところが今日になって,トランプは方針を

    ノア・スミス「権威主義体制がアメリカを乗っ取る企てがはじまってる」(2025年4月15日)
  • ノア・スミス「ヘイ,民主党各位:トランプがアメリカを焼き尽くそうとしてるときに手をこまねいてるんじゃないよ」(2025年4月7日)

    ノア・スミス「ヘイ,民主党各位:トランプアメリカを焼き尽くそうとしてるときに手をこまねいてるんじゃないよ」(2025年4月7日) 誰かが狂った王を止めないといけない. とんでもなく高いトランプ関税がしばらく撤回されそうもないと投資家たちが認識して,アメリカの株式市場が急落を続けている: アメリカ株式先物は日曜日の夕方に下落した.ドナルド・トランプ大統領が主要な貿易相手国のほぼすべてに対して驚異的なまでに高い関税率を発表した後に2日続けて史上最大規模の株式市場暴落後も,ホワイトハウスは強気な姿勢を崩していない.(…)ダウ工業株30種平均先物は,日曜の夕方に 1,531ポイント(4%)下落し,続いて月曜にも厳しい取り引きが続く見込み.S&P500先物は 4%下落.ナスダック100先物は 4%の損失となった. S&P 500先物は,3回の取り引きセッションで 15% も下落した.もはや「暴落」

    ノア・スミス「ヘイ,民主党各位:トランプがアメリカを焼き尽くそうとしてるときに手をこまねいてるんじゃないよ」(2025年4月7日)
  • ノア・スミス「ポール・クルーグマンは世間の人に見える経済学の姿を変えた」(2024年12月11日)

    MSペイントでノア・スミスが作成したファンアート クルーグマンは偉大な経済学者だけど,それだけじゃなく,経済の語り方の変革者でもある ドキッとした人も安心してほしい.ポール・クルーグマンは存命だよ.ただ,25年近く続けた『ニューヨークタイムズ』コラムニストは引退するそうだ.きっと,引退を惜しむ声はたくさん上がるだろうね.(ちなみに,その後は Substack に移るらしい.だから,きっとたくさんブログ活動をしてくれるはずと期待しておこう!) 大学院2年目の頃に,友人がこう言ってきた.「経済学ブログを始めるべきだよ.そしたら,次のポール・クルーグマンになれるかもよ.」 彼女に,ぼくはこう返した.「いや,ブログはやってみようと思ってるけどさ,クルーグマンの後に続くのなんてどうみてもムリでしょ.」 それはいまも変わらない.というか,クルーグマンのようにやれる人が一人でもいるのか,ぼくにはわからな

    ノア・スミス「ポール・クルーグマンは世間の人に見える経済学の姿を変えた」(2024年12月11日)
  • ノア・スミス「権威主義体制がアメリカを乗っ取る企てがはじまってる」(2025年4月15日)|経済学101

    悲しいけど,警告されてたことなんだよね.関税でアメリカ経済が下水に流されようかというときにすら,トランプ政権は他にも愚かなことをやっている.関税ほどハデに愚かではないけれど,もっと長期的にもっと暗い帰結をもたらしうる愚行だ.先日,トランプ政権はキルマル・アブレゴ・ガルシアというエルサルバドル人男性を無実の罪で逮捕して,エルサルバドルの刑務所に送り込んだ.犯罪の告発もなく裁判もなしで,だ.あとになって,政権はガルシアの逮捕が過誤だったと認めた――ガルシアは強制送還からの保護が裁判所によって与えられたけれど,トランプの配下たちはそれでも彼をふんづかまえた. それから数日後,トランプ政権がアブレゴ・ガルシアがアメリカに戻るのを「促進する」ようにとの下級裁判所の命令を,最高裁判所は全員一致で支持した.当初,トランプは最高裁判所の判断を尊重すると発言していた.ところが今日になって,トランプは方針を変

    ノア・スミス「権威主義体制がアメリカを乗っ取る企てがはじまってる」(2025年4月15日)|経済学101