ダーウィンの思想―人間と動物のあいだ (岩波新書) 作者: 内井惣七出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/08/20メディア: 新書購入: 8人 クリック: 61回この商品を含むブログ (51件) を見る 科学哲学者内井惣七によるダーウィン本である.著者本人はまえがきで,ダーウィンの思想の本質に迫りたいと意気込みを示しており,この題名なのだろう. 実際に取り上げられているのは,ライエルの影響とビーグル号航海,自然淘汰,分岐の原則,自然淘汰とデザイン・機能について,道徳の進化についてというところである. 私としてはこのようなトピックをもってダーウィンの「思想」とくくるのには抵抗がある.確かに最後の道徳の要素的な分析は数多の哲学者も取り組んでいるので,あるいは「思想」と言えるのかもしれないが,それも含めてこれらのダーウィンの議論は基本的には自然科学としての学説理論であり,「思想」と呼
