形骸化した日本の「カーボン・プライシング」 ”導入後ろ倒し”はいつまで続くのか?:既得権への忖度か(1/3 ページ) 政府は「DX」になぞらえて、気候変動対策や脱炭素の分野で進めるべき”変革”を「GX(グリーントランスフォーメーション)」と呼んでいる。2022年7月から5回にわたって開催された、岸田文雄首相を議長とするGX実行会議を経て、政府はGX基本方針・GX推進法・関連法改正案を2月内に続けて閣議決定した。法案は本国会で審議中だ。 GXは直訳すると「緑の変革」となるが、実際の内容は「変革」という割には遅く、既存産業への配慮が過ぎている。GX関連施策にはさまざまなものがあるが、今回はその中心的施策の一つであるカーボン・プライシング導入の”遅さ”について筆者の考察を展開したい。 関連記事 レジ袋有料化の“二の舞”か プラ削減のために導入した「紙ストロー」が別の環境問題を引き起こすジレンマ
