イクイノックスが背後に迫るラスト数十メートル。ウマ娘効果でファンの裾野が広がって、コロナ禍が落ち着き、ダービーに大観衆戻ったこのタイミングで、全盛期の武豊はそこにいた。ライトも古参も全ての競馬ファンを巻き込んで、日本競馬最大の推し活は、武豊の物語を完結させるべく、悲願の凱旋門賞へ突き進んで行く。 平成の戦歴だな。ダービー前日に改めて出馬表でドウデュースの過去走を眺めると、そこにはクラシックというよりも、ノスタルジーすら感じさせる字面が並んでいる。1レースの消耗度が激しく、外厩での調整が勝負を分けるようになって久しい令和の競馬において、2歳で朝日杯FSを勝って、弥生賞、皐月賞を経て日本ダービーは3歳春の3戦目。鞍上は全て武豊。しかも皐月賞は後方からの差し届かず。サンデーサイレンス全盛時代のダービーへの試走を思わせるパフォーマンスは、前目からの追走力を問われる昨今のトレンドから見れば、むしろ距