「中国の台頭こそ、米国の一極支配を防ぐ格好の材料ではないか。ことに中国と近しい存在になりうる日本にとっては」――。フランスのあるチャイナ・ハンズがこう言い切った。フランスの中国屋は、顔をしかめて中国の強大化を語る英国の同業者とは明らかに異なる。 「中国で米一極支配を牽制」 外交では常に米国と歩調を合わせる英国。英国とは対照的に独自外交を誇るフランス。サブプライムローン問題に関しても「また、米国が世界にインチキ商品を売りつけた」などと、中国の毒入り食品・薬品の輸出と同次元で語ってみせるのも、多くがフランス人だ。 強すぎる米国を、台頭する中国に牽制させ、漁夫の利を得る――。フランスのチャイナ・ハンズらしい中国論だ。当然、冒頭の言葉は「米国べったり」の英国と日本を揶揄する気分も含んでいる。 でも、ちゃんと見ておかねばならぬことがある。フランスは、だからと言って日本の親中派のように中国翼賛