さて、夫がASD特性を自認し、夫婦のスタートラインに立ったあと、私は一人芝居の虚しさからは脱したものの、すっかり楽になれたとは言い難かった。 夫は新しい環境への不安に加え、私に怒られるのを恐れ、家で「外モード」になってしまったり、私もどれだけASDの理解をしても同じような揉め事を繰り返してしまう不安や混乱で、パニック障害が悪化したりと、お互いメンタル不安定のグダグダ状態が続いた。 何故なら、ASDだと本人が自覚したからと言って、いきなり変われるわけがない。それには何が違和感なのかを、こちら側から具体的に指し示さないと、夫は学びようがないからだ。 そして、向き合ってから約半年ちょっとが経って、今思えば、近寄れば近寄るほど、チクチクと相手を自分の針で刺し合ってしまっていた「山嵐のジレンマ」から、ほぼ抜けられたと言えるターニングポイントがあった。 夫婦関係のスタートラインから、 気持ちの通い合う