飛び石戦略 社会科学(そして自然科学の大部分)が複雑性の問題や道徳上の問題から、科学的真理への直接アプローチが現実的でないことは示した。だから我々は科学的思考などの間接アプローチでもって科学的真理へと近づかなければならない。その一つの方法が前回の科学的思考だったのだが、今回は別の方法論を示したいと思う。 それは先人の成果を積極的に活用することだ。 これは先人たちの成果を学ぶことに力を注ぐことではない。むしろ逆だ。先人たちの成果を積極的に「学ばない」ことこそが、結果的に彼らの努力を活用することになるのだ。 我々の先人たち(歴史に残る古代の人々から直接の先輩そして後輩も)は科学に関して多くの成果を成し遂げてきた。それらのほとんどは否定されたり失敗してきた理論だが、それでもいくつかは今も否定されていなかったり、修正されて一応の信用の置ける理論だ。そしてこの信用の置ける理論だけでも膨大な量になる。