レッドディザイア〈牝(めす)4歳、栗東・松永幹夫厩舎(きゅうしゃ)〉は、とても寂しがったという。 最後まで一緒にいるはずだったウオッカ(牝6歳)の引退が繰り上がった。「姉」のように慕っていた先輩は一足先にアラブ首長国連邦ドバイを離れ、「嫁入り先」のアイルランドへ旅立った。 およそ1カ月、同じ屋根の下で暮らした。初めて海外遠征をしたレッドディザイアは、これが3度目のドバイ遠征となるウオッカを頼りにしていた。調整もうまく進み、2頭がそろって出走した前哨戦のアル・マクトゥームチャレンジ・ラウンド3ではウオッカが8着に敗れたのに対し、レッドディザイアは優勝という素晴らしい結果を残した。 レッドディザイアの松永幹夫調教師は「ウオッカがいてくれたから、勝つことができた」と感謝の言葉を口にした。 しかし、肝心のドバイ・ワールドカップに出走する時、ウオッカはそばにいなかった。レッドディザイアが見え