【ロンドン=柳沢亨之】英下院外交委員会のリチャード・オッタウェー委員長(保守党)は2日の下院で、在英中国大使館の次席大使が、返還後50年間の香港の「高度な自治」などを定めた中英共同宣言(1984年調印)は、「無効」になったとの見解を伝えていたことを明らかにした。 民主化要求デモに対する中国の対応に懸念を強める英国をけん制する狙いがあるとみられる。 委員長によると、11月28日、次席大使が同外交委議員団の香港入りを拒否する方針を委員長に表明した際に、この見解を伝えた。宣言は、97年の香港返還ですでに効力を失ったとの解釈を示したという。 委員長はこの見解について、「ばかげている」と強く批判。香港返還の直前まで対中交渉を担当した当時の英外相、マルコム・リフキンド議員(保守党)も「全く論外」と反発した。 共同宣言は、97年の香港返還と、返還後50年間の「一国二制度」下の「高度な自治」を定めている。