惜しまれながら店をたたむ宮田博治さん。妻・美佐子さんと二人三脚で先代の味を守り続けてきた=片岡航希撮影 トタン囲いの木造店舗で昔ながらの味を守り続けてきた東京都中央区銀座2のカレー店「ニューキャッスル」が、建物の老朽化を理由に、今月いっぱいで66年の歴史に幕を下ろす。 戦後間もない時代から人々のおなかを満たしてきた老舗の閉店を惜しむ声は絶えず、2代目店主の宮田博治さん(70)は「こんなに愛してもらえてありがたいが、静かに終えたい」と話している。 同店は10年前に亡くなった先代の柳田嘉兵衛さんが、終戦翌年の1946年、銀座の焼け野原で、進駐軍から仕入れたコーヒーを出す喫茶店として始めた。数年後、カレーをメニューに加えると、まだ食糧難の時代だったこともあり、たちまち人気を呼んだ。 野菜と果物をミキサーにかけてじっくり煮込んで作るルーは独特の風味があり、ご飯と一緒に口に運ぶと、辛さの中に野菜の甘