自動車の社会的費用を巡る基本的な構図 2010年10月21日 経済・ビジネス環境社会 コメント: トラックバック (0) フィード経済・ビジネス環境社会 (これまでの 松浦晋也の「モビリティ・ビジョン」はこちら) 本連載は、第1回に書いた通り、「我々の社会交通システムに空いている穴」を考察するという趣旨で書き進めている。その意味では、自動車を取り上げるのはかなり難しい。自動車こそは現代の交通体系における一大勢力だからだ。連載の趣旨からすれば、積極的に避けるべき交通機関である。 しかし、穴を考察するには周囲の地質も知らねばならないのと同じく、交通システムの穴を考察するためには巨大な地である自動車を避けて通ることはできない。鉄道、航空機と並んで自動車は20世紀を彩り、21世紀もそれ以降も生き延びて行くであろう交通機関だ。自動車がもたらすモビリティは、人々の生活を後戻り不可能なほどに変えた。これ