名古屋大学4月14日、6個の炭素原子がつながった正六角形の構造をベルト状にした「カーボンナノベルト」の合成に、世界で初めて成功したと発表した。技術を応用すれば、軽くて丈夫な素材「カーボンナノチューブ」を自由なサイズで生成できる可能性があるという。 カーボンナノベルトは、約60年前に初めて存在が提唱された物質。炭素原子の正六角形構造(ベンゼン環)が、筒状に曲がってつながっている。だが、ベンゼン環は平面構造が最も安定するため、筒状だと大きなひずみが生じており、合成が難しく「夢の筒状炭素分子」と言われていた。 研究グループは、ベンゼン環に臭素が結合したパーツを複数作り、それぞれ組み合わせた後、臭素を炭素に置き換えることで、カーボンナノベルトの合成に成功したという。カーボンナノベルトにさらに炭素を結合させていくと、筒状の素材「カーボンナノチューブ」も生成できるという。