名古屋大学(名大)は、植物のめしべが受精に失敗した時に、積極的に受精を回復する仕組み(受精回復システム)が存在することを発見したと発表した。同成果は、同大 ERATO東山ライブホロニクスプロジェクトの笠原竜四郎 研究員らの研究チームによるもので、米科学誌「Current Biology」オンライン速報版にて公開された。 被子植物の精細胞は鞭毛を欠くため、自ら泳ぐことはできない。そのため精細胞は、花粉から伸びる「花粉管」により運ばれるが、この花粉管は卵細胞の隣に2つある助細胞により誘引され、卵細胞の近傍に到達する。花粉管が到達すると、花粉管の先端が破裂して精細胞が放出されるのと同時に、一方の助細胞が崩壊して受精の場が形成される。 従来、この際、受精できない精細胞が放出されると、受精が成立しないため種子は形成されないと考えられてきたものの、実際の様子は明らかにされていなかった。研究チームでは、