最初それは邪道を自覚した遊びのはずであったが!? 蛭児神建 所載『ロリコンKISS』(1986年4月/東京三世社) まず最初に、漫画同人誌界が有った。漫画家予備軍の素人衆がとにかく自分が描いた作品を他人に見てもらいたいと、自費出版した本を持ち寄って売り合う、そんなママゴト遊びの様な即売会が有ったわけだ。少々鼻につく自己満足的な部分も強かったが、それはそれとしても情熱に燃えた心の底から描く事を愛する若者の集まりであった。 そんな中から「ロリコン同人誌」と呼ばれる物が出始めたのは、70年代末から80年代初頭にかけての事だった。アニメや少女漫画の影響下で育った世代であるアマチュア作家達が、そうした絵によるエロ漫画を描き始めたのである。 最初それは、一種の座興…邪道を自覚しながらの遊びであった筈である。心の底には常に、いつの日か立派なプロとなって描くべき正当な漫画が有った。だからこそ、売る側にも買